ルフィ=イニャキ・ゴドイが語る、実写版「ONE PIECE」への想い「長くルフィを演じることが僕の願い」
尾田栄一郎の世界的人気コミックを実写ドラマ化したNetflixシリーズ「ONE PIECE」。8月31日に全世界で配信がスタートするや、世界各国で視聴数No. 1を叩きだすなど話題が尽きないなか、MOVIE WALKER PRESSでは“麦わらの一味”を演じたキャストたち5人のインタビューをお届け。第1回は、主人公モンキー・D・ルフィ役を演じたイニャキ・ゴドイだ!
ルフィ役に大抜擢され、一躍世界的スターの仲間入りを果たしたゴドイは2003年生まれの20歳。2016年頃から地元メキシコのテレビドラマなどで活躍。2021年に出演したミステリードラマ「そしてサラは殺された」(Netflixにて配信中)と、2022年にカナダに渡って出演したSF作品「インパーフェクト」(Netflixにて配信中)が、現在日本国内で視聴可能なゴドイの出演作だ。
「この役のオーディションを受けた時、これが『ONE PIECE』のルフィ役のオーディションだということは知らされませんでした」と振り返るゴドイ。「作品名がわからないように、あらゆるものがコードネームで呼ばれていました。けれど『いつも笑顔を絶やさず陽気な性格で、とにかく前向きなすばらしいリーダー』というキャラクター説明を読んだ母が、『きっとこの役をもらえる。11歳の時のあなたにそっくりそのままだもの』と言ってくれたんです」。
ゴドイが5月に来日し、原作者の尾田のアトリエを訪ねた際、尾田は「今回の実写化に当たって一番心配していたことは、ルフィのような人間が見つかるのかということ。でもイニャキくんのオーディション動画を見た時、思わず笑ってしまいました。僕の描くマンガみたいな人だったから」と太鼓判。さらに「君がルフィみたいに生まれてきてくれたのがありがたい」と言葉をかけるほど、ゴドイはルフィそのものだったようだ。
それでも役として演じることは、決して容易なことではない。「ルフィというのはとても難しいキャラクターでした。自分と似たところはたくさんありますが、一方ですごく漫画的なキャラクターでもある。彼をどう受け止め、実写に落とし込めばいいのか。アニメやマンガを何度も見返し、その本質について理解を深めていきました」と、“ルフィになる”という世界中の少年たちの憧れを一身に背負うことのプレッシャーの大きさを語る。
「ルフィには恐怖心というものがまったくなく、夢や友だち、冒険を大事にしています。僕はルフィを演じるために、恐れを捨てて彼に成りきる必要があり、彼自身の前向きな言葉を信じることが、ルフィに息を吹き込むカギなのだと気付きました」と明かす。しかも撮影の間ゴドイは、“なんでもできる”と信じていた11歳の頃の自分の写真を持ち歩き、当時の気持ちを常に思い出すようにしていたとか。
尾田のアトリエを訪問した際に「長くルフィを演じることが僕の願いです」とルフィ役への熱い想いを語っていたゴドイ。ルフィが実写になって動いていると驚かずにはいられないほどの見事な再現度と、「ONE PIECE」ファンに限らず誰もが心打たれる大冒険を、一気に味わってみてほしい。
構成・文/久保田 和馬