驚愕の『アバター』映画館で観るべき“3つの理由”
いよいよ12月23日(水・祝)に公開される『アバター』の一部マスコミにのみ限定された試写会が実施された。本作は間違いなく“映画館で観た方がよい映画”なのだ(基本的には映画は映画館で観た方がよいけれど)。そこで、その理由を3つ挙げてみたい。
まず第一に、監督がジェームズ・キャメロンだという点。やはり、あの『タイタニック』(97)を作った人だけあって、シンプルかつ分かりやすい確かなストーリーが土台にある。本作は映像のすごさばかりが取り沙汰されるが、やはり心動かされるのは感情の揺れ、しかも我々が共感できる非常に人間的な部分を大切にしている。泣けます。
第二に、VFX(視覚効果)が驚愕モノだという点。『ターミネーター2』(91)のVFXを駆使した表現も当時画期的だったが、本作はもはや次元が違う。「技術が追いつくまで待った」というその映像は、かなりCGで作り込まれているのでVFXと呼んでよいのか定かではないが、観る者を“アバターの世界”に没入させてくれる。
監督いわく「10万のディテールを積み重ねた」結果生まれた映像は、大きなスクリーンで観るにふさわしい。紛れもなく世界最高のVFXを、たとえ50や100インチのホームシアターを持っていたとしても、それで済ませてしまうのはあまりにももったいない。
そして第三に、3D映画だという点。現時点で家庭では視聴しづらい3D映画であるだけでなく、“映像”のクオリティーに関して言えば、これまでの3D映画はこの映画の前にひれ伏すのではないか?と言えるくらい、すごいのだ。製作に4年間かかったのは伊達じゃない。「『アバター』観た?」というより、「『アバター』体験した?」と言いたくなるような、一大映像体験だ。メガネの人はコンタクトレンズで臨みたい。
壮大なエンターテインメントに仕上げたと同時に、アメリカあるいは人類が抱える問題や現代社会を反映したテーマを読むこともできる。「VFXは道具」と言い切るキャメロン監督だけに、気になるストーリーはお楽しみで。
試写後、帰途に着くマスコミ関係者の「すごいね」という声がそこかしこから聞こえた。息つく間もない怒涛の2時間42分。映画館でぜひ観てほしいエンターテインメント映画だ。【Movie Walker/堀田正幸】