『君たちはどう生きるか』、海外批評家の評価は?予告映像もついに解禁

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『君たちはどう生きるか』、海外批評家の評価は?予告映像もついに解禁

『風立ちぬ』(13)以来、10年ぶりの宮崎駿監督最新作となったスタジオジブリ作品『君たちはどう生きるか』(公開中)。日本では予告映像やストーリーなど作品の情報が一切明かされないまま7月14日に封切られ、公開から約2か月で興行収入80億円に迫るヒットを記録している。そんな本作の北米版ティザー予告映像が、先日ついに解禁され大きな話題を集めている。

現地時間9月7日に開幕を迎えた第48回トロント国際映画祭では、本作が日本映画として史上初めてのオープニング作品に選出された。日本国外では初めてとなる公式上映とあって、チケットは即完売。上映後にはギレルモ・デル・トロがサプライズで登壇し「宮崎監督はアニメーション史上もっとも偉大な監督。この作品を日本以外の地で初めて観ることができてとても幸運です」と本作の魅力を熱弁していた。

【写真を見る】「ロッテン・トマト」で批評家からの好意的評価は100%!北米公開&アカデミー賞へ向けて幸先の良い海外デビュー
【写真を見る】「ロッテン・トマト」で批評家からの好意的評価は100%!北米公開&アカデミー賞へ向けて幸先の良い海外デビュー[c]2023 Studio Ghibli

トロントでの公式上映後には、アメリカの批評集積サイト「ロッテン・トマト」に世界中の批評家から続々とレビューが投稿されている。現時点ではまだ35名(※9月13日現在)しか見られないが、全員が好意的評価を付ける「100%フレッシュ」を記録するなど、あたたかな賛辞に包まれているようだ。

その一部を紹介すると、「RogerEbert.com」のブライアン・トラリコは「『風立ちぬ』が宮崎監督の輝かしいキャリアの最終章だとすれば、本作はそのエピローグ。宮崎作品のすばらしい一本であり、贈り物のような作品」と絶賛。また「Rolling Stone」のデヴィッド・フィアーは「宮崎駿が今日でももっとも偉大なアニメーターでありつづけるという立場を確固たるものにした」と、いずれも宮崎監督の最新作を待ち望み、その期待に応える作品であったと讃えるレビューが目立っている。

今後も世界各国の映画祭で上映が控えている
今後も世界各国の映画祭で上映が控えている[c]2023 Studio Ghibli


今後スペインの第71回サン・セバスチャン国際映画祭でもオープニングを飾り、第61回ニューヨーク映画祭での上映も控えている本作は、『かぐや姫の物語』(13)や『思い出のマーニー』(14)をアカデミー賞の長編アニメーション賞ノミネートへ導いたGKidsが配給を担当し、12月8日(金)より北米公開。第95回アカデミー賞に向けた賞レースでの活躍に期待せずにはいられない。

また、今回のトロントでの上映後にメディアの取材に応じたスタジオジブリの西岡純一は、「宮崎監督はいま新作の構想を練っているところです。今回は引退宣言をしません」と発言。これまで幾度も引退を宣言しては撤回をし、そのたびに意欲的な新作を発表してきた宮崎監督も現在82歳。一部では本作が「最後の監督作」になると言われていた。宮崎監督とスタジオジブリから届けられる今後の情報からも目が離せなくなりそうだ!

文/久保田 和馬

※宮崎駿の「崎」は「たつさき」が正式表記

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