“サスペンスドラマの帝王”船越英一郎が日本版ポアロ役に意欲「事件の犯人を崖に追い詰めたい!」

イベント

“サスペンスドラマの帝王”船越英一郎が日本版ポアロ役に意欲「事件の犯人を崖に追い詰めたい!」

“ミステリーの女王”アガサ・クリスティによる「名探偵ポアロ」シリーズを、ケネス・ブラナーの監督、製作、主演で映画化したシリーズ最新作『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』(公開中)。本作の特別先行上映会イベントが、アガサ・クリスティ生誕前夜で、映画公開の前日となった9月14日にTOHOシネマズ新宿で開催。ゲストとして、ミステリーを語るに相応しい“サスペンスドラマの帝王”船越英一郎が登壇した。

【写真を見る】ポアロのトレードマーク、口ひげをつけてイベントに登壇した船越英一郎
【写真を見る】ポアロのトレードマーク、口ひげをつけてイベントに登壇した船越英一郎[c]2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

本作でポアロが挑むのは、亡霊の仕業としか説明のできない“人間には不可能”な殺人事件だ。高級感漂うスーツとポアロのトレードマークである口ひげをまとって登場した船越は「ポアロ風の衣装をスタイリストに作ってもらいました!」とうれしそうに話す。また、ポアロ役のブラナーとは共通点があるそうで「実は同い年なんです。彼が演じるポアロの几帳面で神経質な姿に共感しました」と明かした。

本作の舞台は美しい水上の迷宮都市ベネチア。ポアロは、霊能者レイノルズの“超常現象”を見破るため、子どもの亡霊が出現するという屋敷での降霊会に参加する。そこで様々な超常現象が起こり、招待客が人間には不可能と思われる方法で殺害される。

いち早く本作を鑑賞した船越は「特別先行上映を鑑賞する皆様が全世界で最初にこの映画を観るかもしれませんね。でも私がひと足先です!崖の上で仕事をしてきた甲斐がありましたね」と言って会場の笑いを取る。

船越は「私は映画の中盤に犯人の目星をつけて、後半にはその考えが確信に変わりました。答え合わせのわくわくがありますし、最後に想像もしていなかった真実が隠されているなど心地の良い裏切りもあります。ケネス・ブラナーの名探偵ポアロシリーズのなかで本作が一番おもしろかったです!」と映画の仕上がりに太鼓判を押す。

本作では、犯人が“人間”か“亡霊”かさえもわからないなか、ポアロすらも翻弄され、遂には彼の命までも狙われてしまう。船越はあらゆる事件を知り尽くす“サスペンスドラマの帝王”らしく「所説はありますが、犯人探しを楽しむのがミステリー。犯人が分かっていて、その主人公が犯人をどう追い詰めていくかの物語を楽しむのがサスペンス。ポアロはミステリーでありながら、サスペンスの魅力もあわせ持った“本当の名作”と言い切れると思います!」と言って、会場を大いに沸かせた。

さらに、数々のドラマで事件を解決してきた船越の“私生活での難事件”を聞かれると、「新作の2時間ドラマが少なくなってきたことですかね。解決の糸口が見つかりません(笑)」と激白し「日本版のポアロがあればぜひやらせていただきたいです」とちゃっかり自身をアピールした。

本作の基となった小説「ハロウィーン・パーティ」をはじめ、いまもなお世界中で愛され続けるアガサ・クリスティの133回目となる誕生日である9月15日に公開を迎えた本作。クリスティ作品の魅力について船越は「彼女は人間の闇に光を当てていますよね。人間は愛すべき存在だということを語っている。ちなみに、私はいまだにポアロの実態がつかめていません。彼は嘘つきですからね(笑)」と独自の視点で解説。


最後に船越は「この映画はケネス・ブラナーがアガサ・クリスティの亡霊と手を組んで、私たちを大人のホーンテッド・マンションに招待してくれた映画となっています。ぜひお楽しみください」と締めくくり、大盛況のイベントは幕を閉じた。

文/山崎伸子

関連作品