“シスター ヴァラク”が北米を席巻!『死霊館のシスター 呪いの秘密』が首位に
先週末(9月8日から9月10日)の北米興収ランキングは、新作3タイトルが一気に上位にランクインを果たしたことで、久々に大きな変化を感じる結果に。ちなみに前週1位だった『イコライザー THE FINAL』(10月6日日本公開)は前週比34.7%の興収でも2位に粘り込み、公開8週目を迎えた『バービー』(日本公開中)は新作に押されるようにして5位まで下降。そろそろ『バービー』旋風も落ち着きを見せてきたようだ。
そんななか初登場1位に輝いたのは、「死霊館ユニバース」の一編『死霊館のシスター』(18)の続編となる『死霊館のシスター 呪いの秘密』(10月13日日本公開)。初日から3日間での興収は3260万ドルを記録している。
前作のオープニング興収は5380万ドルだったので、そこから比較すると大きく数字を落としてはいるものの、それ以降に公開されたユニバース作品『ラ・ヨローナ〜泣く女〜』(19)、『アナベル 死霊博物館』(19)、そして(コロナ禍公開のため参考外ではあるが)『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』(21)と3作続けてオープニング興収は3000万ドルに達しておらず、ユニバース全体で見れば持ち直したと捉えることができよう。
ユニバースの本線である「死霊館」シリーズを除けば批評家から厳しい目を向けられてしまっているのはいつものこと。批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば批評家からの好意的評価の割合は47%、観客からの好意的評価の割合は74%と、少なくともユニバースでもっとも低い評価となった前作からはだいぶ持ち直している模様。あとはこの先のハロウィンシーズンにホラー作品が続々公開されていくなかで、どこまで興収を伸ばせるかがカギとなる。
2002年の春に108館で公開され、ランキングでは20位スタート。そこから徐々に上映館を増やし半年後には2016館となってランキング最上位は2位。実に88週間にも及ぶロングランを記録し、わずか500万ドルで制作された作品ながら最終興収2億4000万ドルを突破した伝説の映画『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』(02)。そのシリーズ3作目となる『My Big Fat Greek Wedding3』が3位にランクイン。
日本では1作目もまるでヒットせず、2作目があったことさえ知る人ぞ知る状態ではあるが、7年ぶりとなる新作は3650館の拡大公開で約1000万ドルのオープニング興収を記録。2作目がオープニング興収1786万ドルで最終興収5968万ドルだったので、今回も5000万ドル前後が着地点の目安となるだろう。ちなみにこちらも批評面では“前作よりマシ”というかなり消極的なものに留まっている。
そしてボリウッド(ヒンディー語映画)を代表するスター、シャー・ルク・カーン主演の『Jawan』が824館という中規模公開ながら興収612万ドルを記録し4位にランクイン。今年1月に北米公開された『PATHAAN/パターン』(23)のオープニング興収689万ドルにあと一歩届かない結果になったものの、批評面では同作を上回る高評価を獲得。北米でのインド映画熱はまだまだ続きそうだ。
文/久保田 和馬