神谷明『劇場版シティーハンター』大ヒット舞台挨拶での喜寿のお祝いに笑顔!「つながることは大きな夢」
『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』(公開中)の大ヒット舞台挨拶が9月18日、新宿バルト9にて開催され、冴羽リョウ役の神谷明、槇村香役の伊倉一恵、モヒカンの容疑者役を務めたEXILE/FANTASTICSの世界ら声優キャストと、本作の総監督を務めたこだま兼嗣が登壇した。
1985年に北条司が「週刊少年ジャンプ」にて連載をスタートした「シティーハンター」の劇場版最新作では、無類の女好きにして伝説の始末屋(スイーパー)、冴羽リョウの過去、そしてパートナーであった槇村秀幸の死の核心に迫る物語が描かれる。
公開初週の週末ランキングは、動員、興行収入ともに1位となる大ヒットスタートを切った本作。4年ぶりの新作は、早くも3回、4回とリピート鑑賞をするファンが続出している。冒頭の挨拶で神谷は「蓋を開けるまでは不安もだいぶあったけれど、(公開初週の)第1位ということで、本当にうれしかったです。この勢いでもっともっと頑張っていきたいなと思います」と笑顔を見せる。現在は劇作家、演出家として活動をしている元ラーメンズの小林賢太郎をはじめ、業界関係者からも大ヒットのお祝いのメッセージが届いていることを明かし、「大好きな小林くんからは、初日に『すごくおもしろかった』とメッセージをもらって。すごくホッとしたし、本当に安心しました」と反響を報告した神谷のコメントに、伊倉は「いい本だし、映像も綺麗。すごく自信はあるけれど、公開前は本当に不安でした」と補足。
続けて公開前は、そっくり返るほど仕上がりに自信があったが、公開前10日間くらいは「なにか失敗はしていないか」などと不安がよぎり、胃が痛い感覚で過ごしたと告白。「(あの不安は)なんでだろうね?」と神谷も、同じような心境だったと顔を見合わせ、2人で首傾げる場面も。公開後の大ヒットを受け、伊倉は「うれしくなって、ちょっとお酒も飲みました!」と満面の笑みで報告していた。
新宿と、自宅の近所の映画館で合計3回鑑賞済みという世界。「(1回目は)初日に行きました。グッズが売り切れまくっていて買えなかったです」としょんぼりしていたが、「隣の席の人は泣いていたし、いろいろな世代の方が観ているとすごく思いました」と鑑賞時の感想を伝えた。「(シティーハンターは)世代ではないよね?」という伊倉の言葉に、「再放送で観ました」と答えた世界。「親がすごく大喜びでした。『あんた、シティーハンターに出るの?』って。親孝行できました!」と胸を張るも、「悪い役だねーとは言われました(笑)」と苦笑いしていた。こだま総監督は、舞台挨拶で実際に鑑賞した観客を目にすることでヒットを実感するとしながらも「(上映が)終わってからホッとしたいと思います」とにっこり。「作っている時はイケイケ(な気分)だけど、出来上がると急に不安になるんです。まだまだ油断しないようにしたいです」と控えめなコメントで笑わせた。
本作の仕上がりには本当に自信があるし、内容もとても気に入っていると何度も話した神谷は「一言くらいしかしゃべらない役もいっぱいいます。でも、すべてが適材適所。皆さん、とてもすばらしかったので、ぜひ味わい尽くしてください」とリピート鑑賞を呼びかけた。
イベントでは、この日誕生日を迎えた神谷にケーキと花束のプレゼントが贈られた。「山田康雄さん、納谷悟朗さん、熊倉一雄さん、太田淑子さん、平井道子さん、杉山佳寿子さん、そうそうたる先輩たちが声優への道の線路を敷いてくれて、乗せていただいて、いまがあります」と感謝。「門を叩くところを間違っていたら、ここまで来れなかった。すばらしい運を持っていたと思います。皆さんに感謝したいです。そして、このようなすばらしい作品に恵まれ、77歳、喜寿の誕生日当日が大ヒット感謝イベントになるなんて…。もしかすると、まだ続くのかな?」と今後の展開に含みを持たせた神谷の言葉に、会場からは期待を込めた拍手が沸き起こる。「そう思ってもいい日にしたいと思います」と微笑みながら「僕自身、『シティーハンター』という作品、そして作品を作っているスタッフのみんなに、なお一層の応援をよろしくお願いいたします」と深々とお辞儀。「映画のすばらしさを伝えていただけること、つながることは大きな夢でもあります。今日は誕生日。その夢をぜひ叶えてください!」と呼びかけ、笑顔いっぱいのイベントを締めくくった。
取材・文/タナカシノブ
※冴羽リョウの「リョウ」はけものへんに「尞」