吉沢亮、永瀬正敏、小栗旬、阿部進之介ら4人の主演で、土田世紀の同名漫画『かぞく』を実写映画化!
<スタッフコメント>
●澤寛(監督)
「ずっと現代における『家族とはなにか』と考えてきた。私にとって家族とは他人も同然で、家族になにかを求める意思を持つことはなかった。家族という組織は親子、夫婦それぞれが、その時代を生き抜くために互いの“扱い”を変えながら、愛も遺恨も引き連れて出産と育成という本能をもとに、社会環境の変化に合わせてその時代に必要な関係を維持しながら、役割を変えてきたのだ。家族とは親が子どもを育てるという関係以上のものではないように感じていた撮影当時の私は、劇内に登場する家族関係を崩壊させようと思っていた。離れていく家族から『家族』を感じることができると思っていたのだ。
2019年に撮影をしたのち、1年後の7月に残りを撮影した。すべての撮影を終え、2020年の9月から自宅アトリエで編集作業に入り、シナリオと撮影済み素材を見ながら、この映画の結末を改めて考えていた。親は子どもになにができるのだろうか。子どもは親になにができるのだろうか。家族とはなにか。本格的なポストプロダクションに入る前、私は20年ぶりに実家を訪れ独り身の母と会話をし、これまで感じてきた、家族を好きと思えなかった理由を述べた。そして、私の父親、彼女の元夫が数年前に亡くなっていたことを伝えた。元夫の人生の結末を聞いた母の口から、私の幼少期に起きた家族の事情を伝えられた。それは子どもからの目線であったからなのかもしれない。しかし、その時の私は、家族というものは、生きていようが死んでいようが関係がなく、自身が自身であるために必要な存在なのだと理解した。
この映画の呼吸を聴く。私の目に見える世界は少しずつ変わっていく。私は、この不思議な関係を描くことで、家族の未来を描きだしたのだ」
文/山崎伸子
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