『死霊館のシスター 呪いの秘密』が3週連続で北米No. 1に!「エクスペンダブルズ」最新作は厳しいスタートに
先週末(9月22日から24日)の北米興収ランキングは、上位10作品の合計興収が4234万ドル、集計された全上映作品の総興収は5168万ドルと、どちらも2023年で最も低い数字を叩きだす静かな週末に。そんななかで首位に立ったのは『死霊館のシスター 呪いの秘密』(10月13日日本公開)。3日間興収は前週比58.8%の855万ドルで、2月2週目に興収830万ドルで首位スタートを飾った『マジック・マイク ラストダンス』(23)に次ぐ、今年2番目に低い興収での1位獲得となった。
『死霊館のシスター 呪いの秘密』は、これで公開から3週連続でナンバーワンを獲得したことになる。今年に入ってから3週連続首位を記録した作品は『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(22)と『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(日本公開中)、そして『バービー』(日本公開中)と、いずれも北米歴代興収ランキングの15位以内に名を連ねる大ヒット作。これらと並べられるのは少々酷ではあるが、こうなったのも「エクスペンダブルズ」シリーズの最新作『エクスペンダブルズ ニューブラッド』(2024年1月12日日本公開)があまりにも不発だったことが影響していると言えよう。
シルヴェスター・スタローンを筆頭に、ジェイソン・ステイサムら主役級のアクションスターを集めたことで話題を集めてきた「エクスペンダブルズ」シリーズ。当初は2018年に公開予定だったシリーズ第4作は、スタローンのプロジェクト離脱と復帰などの紆余曲折や、コロナ禍による制作遅延などを経てようやく実現。結果的に前作から9年も間隔が空いてしまうことになった。
新たにトニー・ジャーやイコ・ウワイス、ミーガン・フォックス、50セント、アンディ・ガルシアが参戦したものの、肝心のアーノルド・シュワルツェネッガーやブルース・ウィリス、ジェット・リーに加え、これまでのシリーズに登場してきたアントニオ・バンデラスやメル・ギブソン、ハリソン・フォード、ジャン・クロード・ヴァン=ダムらが軒並み不在。たしかに豪華ではあるが、少々派手さに欠けるキャスティングとなったことは否めない。
初日から3日間の興収はわずか800万ドル。2010年公開の1作目はオープニング興収3482万ドルで最終興収1億ドル超えのヒットとなったが、2作目でオープニング2859万ドル、最終興収8502万ドルと微減し、3作目はオープニング1587万ドル、最終興収は3932万ドルと急降下。そこからさらに半減し、批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば批評家からの好意的評価の割合も大きく低下していることを踏まえると、さすがにシリーズの継続は難しいだろう。
一方、前週の19位から8位に大躍進を遂げたのは、『クルエラ』(21)を手掛けたクレイグ・ギレスピー監督がポール・ダノとタッグを組んだ『Dumb Money』。トロント国際映画祭でお披露目され好評を博し、批評家からもなかなかの評価を得た同作は、前週の8館限定公開から拡大公開を見事に成功させ、3日間の興収は前週のおよそ10倍。アカデミー賞では脚色賞やダノの主演男優賞を狙えるとの見立ても強まっており、まもなく本格化する賞レースに備えて注目しておく必要がありそうだ。
文/久保田 和馬