ジュード・ロウがヒース・レジャー遺作に抱く使命感

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ジュード・ロウがヒース・レジャー遺作に抱く使命感

テリー・ギリアム監督作の『Dr.パルナサスの鏡』(2010年1月23日公開)はお蔵入りをまぬがれた映画だ。本作の主演ヒース・レジャーが撮影中に急逝したものの、スタッフ及び友人たちによる協力で完成した、まれに見る作品なのだ。

完成にこぎつけたのは、本作のストーリーが区切りやすかったおかげでもある。本作は、“現実”と“鏡の中の世界”を行き来するという内容で、“現実”部分のヒースの撮影はすでに済んでいたからだ。そして“鏡の中の世界”を、ヒースを知る3人の俳優で構成した。

その1人のジュード・ロウは、「僕はヒースが人間としても大好きだったし、役者としても尊敬していた。彼の遺作を完成させるために力を貸すことは、使命のようなものだった。僕らは全員、追悼のために集まったが、ヒースの魂が大きな明るさで僕らを照らし、映画を完成に導いたんだ」と、ヒースに寄せる想いを語った。

「ずっとテリー・ギリアム作品の大ファンだった。彼の全作品は、心も魂も精神も、常に創意に富み、感動的で、愉快で、今日的だ。(出演依頼の)電話をもらったときは、心が引き裂かれるようだった」とコメントを寄せた。

ジュード、そして同じような想いで参加したであろうジョニー・デップとコリン・ファレルの3人は、出演料をヒースの娘マチルダに贈っている。また、生前ヒースがギリアム監督の娘ホリーに描いた手紙に落書きしたハートマークを、本作の多くのスタッフ・キャストが追悼の意を込めてタトゥーにした。

強固な絆で作り上げられた『Dr.パルナサスの鏡』は、さまざまな人々の想いが詰まっている。そんな作品の背景を知ると、また違った視点から鑑賞できるだろう。【Movie Walker】

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