『おまえの罪を自白しろ』中島健人×堤真一が対談。「黒子に徹することで、アイドルとしての自分を隠せました」
真保裕一の同名小説を、水田伸生監督が映画化した『おまえの罪を自白しろ』(10月20日公開)。政治家一族の孫娘誘拐事件の行方を描いた社会派サスペンスで、政治スキャンダルの渦中にいる国会議員、宇田清治郎とその秘書を務める清治郎の次男、晄司を演じる堤真一と中島健人。初共演となる2人の本作における“新たな挑戦”について語ってもらった。
「堤さんのような空気感を醸しだせる俳優になりたいと思っています」(中島)
――これまで、お互いが持っていた印象について教えてください。
中島「堤さんは『SP 警視庁警備部警護課第四係』(07~11)や『GOOD LUCK!!』(03)などで、事務所の先輩と共演している印象が強くて…。個人的には『やまとなでしこ』(00)も好きな作品ですし、とにかくカッコよくて、存在感ある役者さんなので、お会いするまではとても緊張していました」
堤「先輩と比べるわけじゃないけど、健人くんは若いぶん、元気でまっすぐなイメージがあって、僕の息子役にピッタリだなと思っていました。そういえば、最初の台本読みの時に、初めて会ったらしいけど…記憶になくて(笑)」
中島「堤さん、忙しすぎです!その時の堤さん、真っ白な服に、短パンとビーサン姿でしたよ。この表現が正しいのかわからないですが、堤さんって威圧感がすごいんですよ(笑)。なので本番に入っても緊張が取れなくて。自分も堤さんみたいな空気感を常に醸しだせる俳優になりたいと、撮影中ずっと思っていましたし、いまでも思っています」
――堤さんから見て、長男である揚一朗役の中島歩さんを含む、兄弟関係はいかがでしたか?
堤「お兄さん役の中島歩くんがどっしりしていて、弟役の健人くんのほうは正義感が強く、その2人のバランスがすごくよくて、まるで本当の兄弟のようでしたね。うちは娘が2人いるんですが、上の子と下の子の性格が絶妙に違うんだけど、その感じが似ていました。娘役の池田エライザさんも含め、3人とも芝居に入ったら、すごく集中していました。ただ家族の話ではあるものの、政治家一家なので、どこかお互い距離感があるんですよね(笑)」
中島「それ、わかります。政治家の家庭を映画的に表現すると、こういう距離感になるんだろうなって思いますね」
――撮影中に、お互いが打ち解けたきっかけのようなものは?
堤「ロケ地は都内から1~2時間ぐらいのところだったけれど、撮影終わりに一緒に食事に行ったりとか、そういう時間もなかったですね」
中島「撮影中、連絡先を交換させていただいた時に、ちょっと距離を縮めることができたかもって思いました」
堤「交換したっけ(笑)?みんな携帯を大事にしているかもしれないけど、僕はどこにあるかわからなかったりするんだよね。だから、事務所も僕じゃなくて、嫁さんに直接連絡してきたりするよ」
中島「えー、そんな(笑)!堤さんー!」