深川麻衣、“詰んだ”元アイドル役に共感「焦りとか不安は私もすごく抱えていた」
元SDN48で作家の大木亜希子による実録私小説を映画化した『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』(11月3日公開)の完成披露上映会が10月10日にTOHOシネマズ日本橋にて開催。深川麻衣、井浦新、穐山茉由監督が登壇した。
本作で描かれるのは、仕事なし、男なし、残高10万円という人生に詰んだどん底アラサーの元アイドル、安希子(深川)と、赤の他人のおっさん、ササポン(井浦)との奇妙な同居生活。長編デビュー作『月極オトコトモダチ』が国内外で高評価を受け、ファッションブランドPRとの二足の草鞋を履く新鋭・穐山監督がメガホンをとる。
乃木坂46の元メンバーで、安希子と同じく元アイドルである深川は「原作を読んで、ものすごく強く共感しました」と吐露。続けて「私もアイドルグループを卒業してセカンドキャリアという面では安希子と同じなので、『そこで上手くいかなかったらどうしよう』とか『評価が得られなかったらどうしよう』という焦りとか不安は私もすごく抱えていたので、とても共感できました」と語った。
ササポンを演じた井浦については、深川が「新さん、普段こんなに格好良いけど、ちゃんとおじさんなんですよね。映画のなかで」とコメント。「新さんがちゃんとササポンでいてくれた」と感謝し、「二人の最初の出会いシーンは特に、全然空気感とかが噛み合っていないんですけど、その感じとかも、事前に『このシーンをどうしていこう』という話は全然していなくて、『やってみてどうなるか』みたいなことでもあったので、そこから生まれてくるぎこちない間とか、そういうものが楽しかったです」と撮影を振り返った。
また、作品タイトルにちなみ「詰んだな」と思うエピソードを披露する場面では、井浦が劇中で披露するピアノのシーンを挙げる。
井浦は「本当に大変で。テクニカルな部分が自分の中で納得できない状態で現場に行って撮影に行くっていう状況って分かります?消えてなくなりたいじゃないですか」と語り、「家で練習している時は一回も成功しないんですよ。でも監督は『絶対にご本人にやってもらいたいので』と言い張るので(笑)」と苦労を告白。
さらに「自分も悔しいから『絶対に当日までには弾けるようにします』ってなったんですけど、本当に一回も成功しないまま現場に行ってピアノを弾くシーンを撮るっていう状況になる。本番までは本当に具合悪かったです。詰みまくりですよね。俳優としては」と追い詰められた状況であったことを明かした。
一方、深川は、東京の青海駅に集合しなければいけない日に、誤って字のよく似た青梅駅に行ってしまったという過去のエピソードを披露。「慌てて戻ったんですが、電車で2時間くらい距離があるんですね。結構遠いんですよ。マネージャーさんとかにすぐ連絡したんですけど、その2時間が地獄」と当時を思い返していた。
取材・文/山田健史