岩井俊二監督、アイナ・ジ・エンドの才能に心酔。松村北斗の第一印象は「なんて美しい人だろう」

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岩井俊二監督、アイナ・ジ・エンドの才能に心酔。松村北斗の第一印象は「なんて美しい人だろう」

岩井俊二監督最新作『キリエのうた』(公開中)の公開記念舞台挨拶が10月14日、新宿バルト 9にて開催され、主演のアイナ・ジ・エンド、共演の松村北斗、広瀬すずが岩井監督と共に登壇。MCは本作でストリートミュージシャンの松坂珈琲役を務めた笠原秀幸が担当した。

【写真を見る】鮮やかなブルーの肩出しドレス姿のアイナ・ジ・エンドとシックな装いの広瀬すず
【写真を見る】鮮やかなブルーの肩出しドレス姿のアイナ・ジ・エンドとシックな装いの広瀬すず

本作は、アイナ・ジ・エンドが映画初主演を務め、主題歌に加え、制作した6曲の劇中曲も圧巻のパフォーマンスで披露する音楽映画。別れと出逢いを繰り返しながら、交差し、絡み合う4人の人生をアイナ演じるキリエの歌がつなぐ13年の物語が描かれる。

映画初主演で主題歌も担当したアイナ・ジ・エンド
映画初主演で主題歌も担当したアイナ・ジ・エンド

アイナは公開初日に劇場を訪れたそうで「吉祥寺の劇場に行きました。パンフレットを手に『このシーンがよかったな』とひとりごとを言っている人がいて、『(キリエは)ここにいるよー!』って言いたかったです(笑)」と観客のうれしい反応を直に目にしたと明かし、笑顔を見せる。「インタビューやイベントで自分発信で『こんな映画です!』と紹介してきたけれど、やっと観てくださった方の感想をいただけるのが本当にうれしいです」と喜びを爆発させた。

「いろいろな感想があるのがうれしい」と語った松村北斗
「いろいろな感想があるのがうれしい」と語った松村北斗

いろいろな感想が届いていると話した松村は「誰かとしゃべりたくなったり、解釈したくなったりする映画になったんだなと思っています」とニッコリ。イベント前に行ったインスタライブでは、ややネタバレをしてしまったそうで「このイベントは上映後なので、ネタバレを一切気にせず、のびのびと楽しい時間にしたいと思います」とホッとした表情で宣言した。

松村の繊細な芝居を笠原と共に絶賛していた
松村の繊細な芝居を笠原と共に絶賛していた

広瀬は撮影を振り返り「自分だけが真横で聞いていた(アイナ扮するキリエの)声が、世界中に届き始めていると実感しています」と映画公開後の反響に触れ、「心に刺さるというより、お腹の底をドンと突いてくるような、魂の叫びを感じます」と微笑み、会場を見渡して「皆さんの顔を見て、伝わっていることが確信できていることがうれしいです」と満面の笑みを浮かべた。

映画が届いていることを実感していると微笑んだ岩井俊二監督
映画が届いていることを実感していると微笑んだ岩井俊二監督

映画の感想をSNSなどでたくさん目にすることで「(映画が)届いたんだな」と実感しているという岩井監督。「僕の企てとは違う解釈もあるけれど、そこが映画の醍醐味。観てくださった人の数だけの映画になって、作品になっていく。みんな違っていい。観た人の数だけ『キリエのうた』が広がっていると実感しています。観てくださって本当にありがとうございます」と深々とお辞儀をして感謝の気持ちを伝える岩井監督に、会場から大きな拍手が送られていた。

フォトセッションの様子
フォトセッションの様子

イベントでは岩井監督がアイナ、松村、広瀬に感謝の気持ちを込めてブルーの花束と感謝の言葉を伝える場面も。広瀬は「独創的なインスピレーションで役を作り上げてくれてありがとう」とお礼を伝え、アイナには「すごい才能を持っている人。初めて歌っている姿を見て『この子しかいない』と思いました。演技が初めてという方に二役をお願いし、作詞、作曲までお願いして。考えてみたらいろいろなものを背負わせてしまいました。けれど、(演じた二役は)アイナが作った紛れもない、純度100パーセントの作品だと思います」と大絶賛。


松村の第一印象を「なんて美しい人だろう」だったと明かした岩井監督は、「服を脱いだらまたさらに美しすぎて…。(その美しさに)動揺してしまいました」とベタ褒めし、松村の照れ笑いを誘っていた。松村が演じた夏彦について岩井監督は「いろいろな心の模様が変化する、一色ではない役」とし、「映画は物語の順番通りに撮影できません。北斗くんは的確にその時の(夏彦の)瞬間を演じてくれました。夏彦という役は北斗くんが作り上げた作品だと思います」と最後まで惜しみない賛辞を捧げていた。

取材・文/タナカシノブ

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