道化師夫婦が案内する、はちゃめちゃパリ巡りが超楽しい!
ヨーロッパを拠点とする道化師夫婦が、製作・監督・脚本・主演を務める、一風変わったコメディ『ロスト・イン・パリ』(8月5日公開)。カラフルな映像世界とアッと驚く展開の数々で、観れば必ずハマってしまう本作の魅力をご紹介!
手掛けるのは、ベルギー人のドミニク・アベルと、カナダ人のフィオナ・ゴードンの2人。パリの演劇学校で出会い、意気投合して結婚後、現在に至るまで共に監督兼俳優を務めながらも、原点の道化師としても活躍するアーティストコンビだ。
ジャック・タチ、チャールズ・チャップリンらの往年のコメディを彷彿とさせる、パントマイムやダンスといったセリフに頼らない喜劇スタイルを現代に蘇らせ、『アイスバーグ!』(05)、『ルンバ!』(08)などで国際的に高い評価を受けている。
そんな彼らが演じる主人公は、カナダからパリに初めてやって来た世間知らずの眼鏡のドジっ子・フィオナ(フィオナ・ゴードン)と、セーヌ川で気ままなテント暮らしを楽しむホームレスのドム(ドミニク・アベル)。突然失踪した88歳のおば・マーサ(エマニュエル・リヴァ)を探すため、フィオナはひょんなことから出会ったドムを道案内役に、夏のパリで珍道中を繰り広げる。
劇中には、コミカルでオリジナリティ溢れるドム&フィオナ・ワールドが満載!初めてのエッフェル塔を前にはしゃぐフィオナは、橋の上で記念写真を撮ろうとするもカメラに気を取られ…そのままセーヌ川にドボン!背中から宙返りする滑稽なダイブに、思わず吹き出してしまう。
そして、船上レストランでは、店のBGMのスピーカー音にビクンビクンと体が反応してしまい、止められなくなったドムの動きが、ほかの客たちへ伝染するシュールな展開に。
極めつきは、アパートでベッドに入ったフィオナと、川辺のテントで眠るドムが、同時にお互いを求め合う“妄想ラブシーン”。離れた場所で恋心を募らせ、動きをシンクロさせる2人のミラクルな夜は一見の価値あり!
そのほか、突如参列することになった他人の葬式でドムが行うチグハグなスピーチや、お年寄りカップルのかわいい足ダンスなど、喜怒哀楽のすべてが詰まったコメディ描写で観る者をグイグイ引き込んでいく。
驚きの展開で抱腹絶倒のパリ巡りが楽しめる『ロスト・イン・パリ』。キッチュでウィットにとんだ本作を、ぜひ一度体験してみてほしい!【トライワークス】