激レアな無声映画を観るチャンス！「本棚劇場シネマ～無声映画×活弁×生演奏」が開催

図書館、美術館、博物館が融合した文化複合施設である角川武蔵野ミュージアムで、100年前のサイレント映画を活動弁士が生演奏と共に復活させる「本棚劇場シネマ～無声映画×活弁×生演奏」が10月28日(土)に開催。360度を取り囲む高さ8mの巨大な「本棚劇場」に、プロジェクションマッピングが映しだされる1日限りのスクリーンが登場する。

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上映されるのは、映画の草創期となる100年以上前の無声映画たち。場内では活動写真弁士の大森くみこや、サイレント映画の楽士、鳥飼りょう(ピアノ)も登場し、ライブで無声映画に台詞と音楽を付けていくので臨場感たっぷり。なお、今回上映する映画のフィルムと使用する映写機は、すべて評論家の紀田順一郎が収集したレアなものとなる。

さらに当館の博物部門ディレクターである荒俣宏も出演し、無声映画について解説を行う。荒俣によると「汽車が猛スピードで突進してくる、俳優がいきなり消え、劇場の大画面で観る『動く写真！』に、観客は仰天した！」とのこと。これが19世紀末に登場した夢の新メディア、“映画”の始まりである。

最初の40年間は映画に音がなく、オーケストラが生演奏をしたり、擬音を入れたり、日本では「弁士」が登場人物の台詞を1人で語りわけるという発明が加わった。世界のどこにもない日本のふしぎな“活動写真”は、こうして明治、大正の日本興行界を駆けぬけたのだ。

最先端のエコカーが登場する『専売特許　It’s A Gift』

監督：ヒュー・フェイ　主演：スナブ・ボラード
上映時間：約14分
あっと驚く奇天烈発明、いまから100年前に最先端のエコカーが！ソラマメ顔に大きなヒゲが特徴のコメディアン、スナブ・ポラードの代表作となる。

映画の父、リュミエール兄弟が手掛けた『リュミエール　映画の誕生』

【写真を見る】貴重な無声映画を観るチャンス！『リュミエール　映画の誕生』(1895)

監督：ルイ・リュミエール、オーギュスト・リュミエール
上映時間：約18分
世界で初めてスクリーンに映された映画とは、どんな作品で、どんな機械だったのか。現代につながる映画や動画の誕生に立ち会おう。

トリック映画の傑作と言われる『月世界旅行』

監督・脚本・主演：ジョルジュ・メリエス
上映時間：約10分
もと奇術劇場の興行師であったメリエスが発明したトリック映画の傑作。特撮映画はサイレント時代からあったのだ。特に、弾丸型ロケットが月に命中する名シーンに注目して。

マッドサイエンティストが脅威！『カリガリ博士』

監督：ロベルト・ヴィーネ　主演：ヴェルナー・クラウス
脚本：ハンス・ヤノヴィッツ、カール・マイヤー
上映時間：約63分
独裁者にあやつられるドイツ民衆の狂気を暗示するような、不気味にゆがんだ背景美術に注目。夢遊病者を支配するマッドサイエンティストの企みはなにか？

本上映会はリュミエール兄弟の作品をはじめ、文明開化における魔術のような初期映画が、当時のままに再現されるという貴重な機会となる。青春躍る、心も燃える、キネマの世界をぜひ体感してみてほしい。「さあさ、お代は観てのお帰りだよ～！」。

文/山崎伸子

【上映会概要】
上映会タイトル：本棚劇場シネマ～無声映画×活弁×生演奏
会場：角川武蔵野ミュージアム4階本棚劇場
催行日：10月28日(土)
展覧会公式サイト: https://kadcul.com/event/153
主催：角川武蔵野ミュージアム(公益財団法人角川文化振興財団)
出演：荒俣宏(角川武蔵野ミュージアム博物部門ディレクター)、大森くみこ(活動写真弁士)、鳥飼りょう(ピアノ)
上映会時間：14:45開場、15:00上映会開始、18:00終了＊時間は予告なく変更になる場合がございます。
チケット価格(税込)： KCMスタンダードチケットほか
　●オンライン購入(https://tix.kadcul.com/)、当日窓口購入
　一般(大学生以上)：1,400円／中高生：1,200円／小学生：1,000円／未就学児：無料
　※本展覧会の他、当館のスタンダードエリア(常設展エリア)をご覧いただけます。

●開館情報
開館時間：日曜～木曜10:00～18:00／金曜・土曜 10:00～21:00　※最終入館は閉館の30分前
休館日：第1・3・5火曜
住所：埼玉県所沢市東所沢和田3-31-3　ところざわサクラタウン内
＊休館日、開館時間は変更となる場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。
＊「1DAY パスポート」「イブニングパスポート」でも上映会をご覧いただけます。詳細は公式サイトでご確認ください。