亀梨和也、レッドカーペットでの「菜々緒ちゃん」呼びを反省!?『怪物の木こり』で魅力的な共演者たちから受けた刺激とは
2019年の第17回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作を実写映画化した『怪物の木こり』(12月1日公開)の完成報告会が10月31日にesports 銀座 studioで開催され、亀梨和也、菜々緒、吉岡里帆、染谷将太、三池崇史監督が登壇した。
亀梨が、目的のためには殺人すらいとわない冷血非情なサイコパスを演じた本作。怪物の仮面を被り、人間の脳を奪い去る連続猟奇殺人事件が発生。次のターゲットとして狙われた弁護士の二宮彰(亀梨)が、怪物との対決に挑みながら驚愕の真相に辿り着く様を描く。三池監督は「自分としても非常にやりがいのある作品で、非常に好きな仕上がりに完成しました」とコメント。「バイオレンスで激しい映画だと思うかもしれませんが、観てみるとすごくいい人間ドラマ。そういった意外性も楽しんでいただければ」と自信をのぞかせていた。
亀梨にサイコパス役を任せた理由を聞かれた三池監督は、「誰がどう見てもちょっとサイコパスっぽい」と語り、会場も大笑い。亀梨が「ずっと言うんですよ。だんだん自覚していかないといけない」と茶目っ気たっぷりに応えるなか、三池監督は「ある意味、二面性も持っていて。亀梨和也というアイドルとしてずっと貫いてきた、自分から生まれたものではあるけれど、作りあげた人格といつも同居している。たぶん僕たちが台本を読んで、二宮ってこんなヤツかなと思うのと、感じ方が違うと思う」と亀梨自身が生きてきた強さが、役柄に発揮されていると語った。
「たしかに」とうなずいた亀梨は、「このお仕事を始めさせていただいて、今年で25年。自分の年齢と、この世界に立たせてもらっている自分が同い年になった時に、すごく考えさせられたテーマ。下町のアパート育ちの男の子だった自分が、ちょっとオシャレな感じに生きさせてもらっている時間のほうが長くなっていく。どっちが本当の自分なのかなと。いまはそれがいい形で混合していて、リビングに畳とかを敷いて、当時の自分の感覚みたいなものもあったりする。この映画において、そのテーマは大きいなと思う」とテーマ性に共感する部分も多かったそうで、「そういう人間なんだと(笑)。だから自然な感じで現場に立たせていただいていたんだと腑に落ちました」と笑顔を見せていた。
菜々緒も「原作と脚本を読ませていただいて、(二宮の)キャラクター像とぴったりだと思った。亀梨さん以外に、誰がこの役をできるんだろうと思うくらい」と役柄へのハマり具合に惚れ惚れ。初共演のキャストが多かったなか、菜々緒とは以前にもタッグを組んだことがある亀梨は「キャスティングの段階で、菜々緒さんのお名前があった時点でホッとした。知っている方がいらっしゃると思って。安心感があった」と菜々緒の存在が助けになったとニッコリ。
ガラ・セレクション部門に出品されている第36回東京国際映画祭のレッドカーペットイベントでは2人で腕を組んで歩いたが、亀梨は「今日は『菜々緒さん』と呼んでいるんですが、いつも『菜々緒ちゃん』と呼ばせてもらっているんです。この間レッドカーペット上の映像を観た時に、(自分が)『菜々緒ちゃんは』『菜々緒ちゃんは』と言っているのを観て、よくないなと思った」と反省したことを明かし、会場の笑いを誘った。「今日は距離ができたわけじゃない」と笑った亀梨は、「今日は『菜々緒さんと呼ばせていただく』と、先ほどお伝えしたんです。『菜々緒ちゃんは、どうなの?』とか言っているのを観て、お前、大人なんだから…と客観的に感じたんです。あんなにドレスアップした女性に『菜々緒ちゃんはさ』ってよくないと反省した」と“菜々緒さん呼び”の真意を語っていた。
また初共演となった吉岡について、亀梨は「これまで一方的に見させてもらっていました。CMとかだと、かわいいという印象を抱いていた。(吉岡との)初日は壮絶なシーンから始まったんですが、キャラクターや作品に向き合っていく熱量、プロ意識の高さがすごい。ご自身のなかにそういった強いものがありつつ、柔らかくて優しい空気がある。プロだなと思いました」と絶賛。三池組常連の染谷について、三池監督が「いい波を映画のなかに作ってくれる、自分にとって最強の武器」と信頼を口にするひと幕もあったが、亀梨も「ずるいなと思う。風のようにふわっと現場にいるのに、めちゃくちゃ存在感がある。うらやましい」と染谷の役者力に脱帽。「この現場はぬくもりや熱量のある現場だった。今後、監督のいい武器になれるようにという、新たな目標ができました」と話すなど、魅力的な共演者たちから大いに刺激を受けていた。
取材・文/成田おり枝