ワケあり住人たちの不思議な生態がワンシーンに凝縮!『コーポ・ア・コーポ』本編映像を独占入手
コミックサイト「COMIC MeDu」に連載されるや独特な世界観でコアなファンを獲得してきた岩浪れんじの同名漫画を実写映画化した『コーポ・ア・コーポ』が、いよいよ11月17日(金)より公開。それに先駆け、昭和レトロな雰囲気を醸しだす大阪の安アパート“コーポ”に住むワケあり住人たちの姿をとらえた本編映像と、主演の馬場ふみかからのコメントも独占入手した。
家族のしがらみから逃げてきたフリーターの辰巳ユリ(馬場ふみか)と、複雑な過去を背負い、女性に貢がせて生計を立てる中条紘(東出昌大)、日雇の肉体労働で日々を過ごし、女性に対して愛情表現が不器用な石田鉄平(倉悠貴)、そしてコーポの一室で怪しげな商売を営む初老の宮地友三(笹野高史)。同じコーポで暮らす住人が首を吊って死んでいるのが発見されたことを機に、彼らはそれぞれの人生を思い返すこととなる。
このたび解禁された本編映像に収められているのは、縁あって一つ屋根の下で暮らすことになった年齢も性別も職業もバラバラな彼らの生態が垣間見える映画序盤のワンシーン。ユリがコーポ前のベンチで退屈そうに寝転んでいると、建物の中からは石田が恋人とケンカしている声が。玄関では宮地が小銭を数えているが、うっかり石田の恋人の靴に小銭が落下してしまう。
ちょうど2階から駆け降りてきた石田の恋人がその靴を履いて立ち去ってしまい、慌てて追いかけようとする宮地。さらに飛びだしてきた石田は、タバコの交換をせがむおばちゃん(藤原しおり)にブチギレ、そんな光景をしげしげと眺めていた中条は「働いた金で女に奢っている。僕よりマシかもしれない」と呟く。このワンシーンだけで、コーポの住人たちの特徴や距離感を感じることができよう。
金髪にスカジャン姿で関西弁を話す新境地に挑んだ馬場は「ユリは無関心そうにしながらも、どこか周りの住人たちを気に掛けている役だったので、彼女の中に秘めた思いを表現することを特に意識して演じました」と振り返り、「登場人物たち各々が不器用ながらも、なんとか生きている姿は愛おしく見えると思います」と本作の見どころを語っている。
まるで落語の長屋噺のような人情味あふれるコーポの住人たちの姿に、ついつい笑みがこぼれ、穏やかな気持ちを味わえること間違いなしの本作。是非とも映画館に足を運び、彼らの飄々とした生き様を堪能してほしい。
文/久保田 和馬