馬場ふみか、主演作『コーポ・ア・コーポ』での役作りは「原作に忠実にという想いで」初挑戦の金髪は新鮮!と笑顔
映画『コーポ・ア・コーポ』(公開中)の公開記念舞台挨拶が11月18日、TOHOシネマズ日比谷にて開催され、主演の馬場ふみか、共演の北村優衣、仁同正明監督が登壇した。
岩浪れんじの同名マンガを原作を実写化した本作は、大阪の安アパート「コーポ」を舞台に、年齢も性別も職業もバラバラな訳あり住人たちがひょうひょうと生きる日々が描かれる。馬場は家族のしがらみから逃げてきたフリーターの辰巳ユリに扮し、北村はコーポの住人で若い日雇い労働者の石田鉄平(倉悠貴)に口説かれる女子大生の高橋を演じている。
金髪で挑んだ撮影を振り返った馬場は「原作に忠実にという想いでした」と笑顔を見せ、「衣装合わせの段階で、漫画から飛び出てきたかようなお洋服をたくさん揃えてもらっていました。ボーダーTシャツにスカジャンに、スエットみたいなものがたくさんあって。(衣装のおかげで)役に近づくことができました」と感謝。金髪は初挑戦だったそうで「気分転換に派手な髪型にすることはあったけれど、金髪はしたことがなくて新鮮でした」と感想を伝えていた。
「原作を読んだ時に、高橋はこのマンガのアイドルだと思ったので、そこだけは崩さないように意識していました」と役作りを語った北村。仁同監督から「撮影中もずっと“私とは違う””私とはかけ離れている”と言いながらやっていました(笑)」と裏話を明かされると、「私はこんな人間じゃないと思うことが多くて…」と、俯きながら役作りで感じた自身とのギャップに触れる場面もあった。
大阪弁に挑戦した馬場は「たくさん耳にしているはずの言葉なのに、いざ口に出してみると思っていたのと違うという印象があって…」と難しさを説明。しかし、関西出身の仁同監督は馬場の大阪弁を大絶賛。「すごく耳がいいんだと思います。現場で思いついたセリフをその場で教えても、すぐに覚えちゃう。本当にすばらしいと思いました」と太鼓判。「アル・パチーノもロバート・デ・ニーロも言ってました、演じることより大事なのは聞くことだと」とニヤリとしながら名優の言葉を例に挙げ、セリフは少なめで、人の話を聞いて大阪弁で反応する馬場の芝居から、いかに聞くことが大事なのかを改めて知ったとも話していた。
劇中で「コーポ」の住人たちは、なにかと集まって話をする。撮影中も劇中に登場する駐輪場近くでキャストが集まり、椅子を並べて話すことが多かったそう。「円になって笹野(高史)さんを中心にずっと喋ってました」と馬場が明かすと、北村が「笹野さんからいろいろな豆知識が出てくるんです」と大はしゃぎ。笹野の話に耳を傾ける一方で、倉がタバコの交換を住人に持ち掛ける恵美子を演じる藤原しおりにイジられるというのがおなじみの光景だったと、2人で楽しそうに撮影を振り返っていた。
「いまを生きていることがすごく大事だと思った作品」と話した馬場は「生きる意味とかを大きく感和えすぎる必要はなくて。今日を生きているから明日も生きる。それが繋がっていけばいいなって思いました」と作品に参加してことで得たものを言葉にし、「ゆっくりと流れる映画のなかで不思議な時間を感じて欲しいです」と呼びかけ、イベントを締めくくった。
取材・文/タナカシノブ