山崎賢人「ドラララ…!」も全力で!新田真剣佑と語る『ジョジョ』実写化の意味
荒木飛呂彦による人気コミック『ジョジョの奇妙な冒険』を実写映画化する『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』(8月4日公開)。1987年に週刊少年ジャンプで連載を開始するやいなや、熱狂的なファンを生み出したコミックの実写化とあって、大きな注目を集めている。山崎賢人と新田真剣佑にインタビューし、「実写化の意味」を感じた点。気になる「ドラララ…!」のシーンや、“スタンド”について語ってもらった。
“ジョジョ”と呼ばれる主人公を軸にした原作では、現在、第8部にまで発展するほどに壮大なストーリーをつむいできた。初めての実写化となる本作では、その第4部「ダイヤモンドは砕けない」を映画化。“スタンド”という特殊能力を持つ高校生・仗助(山崎)が、家族と町を守るために立ち上がる姿を描く。新田は、同じくスタンドの持ち主であり、仗助と運命的な出会いを果たす億泰を演じている。
2人は原作の魅力をこう語る。山崎は「魅力的な登場人物ばかりで、セリフもとてもいいんです。真似したくなるような登場人物がいて、そのなかで人間ドラマもしっかりと描かれている。億泰とのシーンで言うと仗助の『何も死ぬこたあねー。そう思っただけだよ』と言うセリフや、億泰の『1回だけだ』というセリフもものすごくカッコいい」とシビれまくり。
新田も「僕は自分を置き換えて見ていました。自分がもしそういう能力を持っていたら…と考えてしまうんです。完成した映画を観ても『いいな』と思いました。『山崎賢人、カッコいい!』と思いましたから。やっぱり男の子の夢だし、男の子は絶対的にこういう世界が好きだと思います」と熱弁する。
演じた役柄の魅力を聞いてみると、山崎は「仗助はめちゃめちゃ強いのに、優しい。そして信念を持っている。それを貫く姿勢もいいですし、とはいっても高校生なので、遊び心や素直な気持ちが出るところも好きです」と仗助の男気に惚れ惚れ。新田は「億泰はとにかく兄貴が大好き。兄貴を愛しているんですよ。そして、とてもまっすぐでバカ正直。優しくてピュアで、本当にいいヤツです」と愛情たっぷりに語る。
“スタンド”がどのように実写化されているのかも、気になるところ。“スタンド”とは、能力を持っているものにしか見えず、能力者のそばに現れ立つことから“スタンド”と呼ばれる“形ある超能力”だ。CGで作られるため、現場ではもちろん“スタンド”は目に見えない。山崎は「現場では必死でした」と述懐。「相手を殴るのはスタンドなので、僕の手は出ないんですが、気持ちで殴っているようなイメージでやりました」。新田は「背中で殺し合いをする感じ」とニヤリ。
同じく、仗助が技を放つときの決めゼリフ「ドラララ…!」も注目ポイントだが、山崎は「『ドラララ…!』は声がつぶれるまでやりました。声が出なくなってしまいました」と魂を込めたことを明かし、新田は「僕はそれを見ていました。本当に大変そうだった」と笑う。新たなチャレンジがつまった撮影となったが、山崎は「すべてが楽しかった」と充実感をみなぎらせていた。
そして『ジョジョの奇妙な冒険』を実写化する意味について大きく実感したのも、人間ドラマがしっかりと描かれるとともに、“スタンド”や熱きバトルが迫力を持って映し出されることだそう。「映像表現として、こういう世界もあるんだと感じてもらえるとうれしい。生きた人間がやっているので、その“生身感”を感じてほしい」(山崎)。「生きたスタンドを僕自身、見てみたいと思っていました。スタンドがこの世の中に現れたらこんな感じなんだ!というのを見られただけでも、僕は幸せでした」(新田)。
熱っぽく語り合う姿からも、いかに本作の撮影が濃密なものだったかが伝わる。完成作を観た感想を聞いても、前のめりになってその感動を語る。
山崎は「現場では、とにかく死ぬ気で全力でやりました。それがどのような映像になっているのか、観るのがとても楽しみでした。実際にスタンドが出てきたときは、ものすごくテンションが上がって。やっぱり能力を持っているヒーローは男の子の憧れです。“ジョジョ”としか言えないジャンル、観たことのない映画になっていました」。新田も「すごく自信をもってお届けできるものになっています。想像以上というか、その遥か彼方を行っていました。ハリウッドも顔負けの映画になっています」と興奮しきりだった。【取材・文/成田おり枝】