ディテールの王者『アバター』監督の“細かさ”の理由
現在公開中の『アバター』は、細部まで緻密に作り込まれた映像で話題になっている。主演俳優サム・ワーシントンが“ディテールの王者”と呼ぶジェームズ・キャメロン監督に“細かさ”について聞いてみた。
キャメロン監督は、「俳優というのは、具体的なものがないと演技ができないものです。(こういう3D映画では)すべての世界を考えておいてあげないといけない」とCGの特殊環境での撮影について語り始めた。
「例えば“水を飲む”場合、彼らは何を使って水を飲むのかというのが重要です。アバターの世界にはコップがないから花の花びらで飲むんだよ、ということを教えないと演技はできません。だからディテールというものを非常に考えるんです」と解説。
「ひとつの例として、(惑星パンドラに生息する飛行生物)バンシーに乗るために、(設定上、バンシーの巻毛と青い皮膚の知的生命体ナヴィの尻尾をコネクトしないと乗れないので)まずプラスティックで尻尾のようなものを作って、あれこれ実験して、こうすればコネクトできると準備し、そして俳優がやるんです。すべてのことを計算して準備してあげないとならない。そういう小さなディテールが10万くらいあります」と笑いながら答えてくれた。
このように、本作は小さなディテールを積み重ね、気の遠くなるような作業を経て完成した。“完璧主義者”と呼ばれるキャメロン監督の緻密な世界を大きなスクリーンで隅々までご堪能あれ。【Movie Walker/堀田正幸】
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