『コット、はじまりの夏』音楽家、青葉市子ナレーションの予告編&場面写真

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『コット、はじまりの夏』音楽家、青葉市子ナレーションの予告編&場面写真

第72回ベルリン国際映画祭の国際ジェネレーション部門(Kplus)でグランプリを受賞し、第95回アカデミー賞では国際長編映画賞にノミネートされた2024年1月26日(金)公開の映画『コット、はじまりの夏』から音楽家の青葉市子がナレーションを務めた予告編と場面写真が解禁された。

【写真を見る】主人公コットを演じたキャサリン・クリンチは、本作が初演技となる
【写真を見る】主人公コットを演じたキャサリン・クリンチは、本作が初演技となる[c]Inscéal 2022

本作は世界の映画賞で42受賞、60超ノミネート(10月12日時点)の快挙をはたした、コルム・バレードによる初の長編監督作。1981年、夏のアイルランドを舞台に、9歳の少女コットの成長とはじまりを描きだす。主人公のコットを演じるのは、本作が初演技のキャサリン・クリンチ。圧倒的な透明感と存在感で、少女の成長を見事に表現し、史上最年少の12歳でIFTA賞(アイリッシュ映画&テレビアカデミー賞)主演女優賞を獲得した。

このたび解禁となったのは本作の予告編。映像は大家族のなかで孤独に暮らす9歳の少女コットが、赤ちゃんが生まれるまでの夏休みを親戚のキンセラ夫婦に預けられるシーンから始まる。「お父さんが好きなだけ預かっていいって」と言うコットに「喜んで預かるわ」、「つらい時は話さなくていい」と温かく迎え入れるキンセラ夫婦。2人の愛情をたっぷりと受け初めて生きている実感に包まれたコットは、やがてその表情も明るく変化。自分を解放し力強い瞳で農場を走る様子が印象的に描かれている。

ナレーションを担当するのは、その透明感あふれる歌声と唯一無二の表現で国内外に多くのファンをもつ青葉。緑豊かな田舎の美しさ、木々の間からのぞく陽の光のあたたかさといった、コットを優しく包み込む映像美とともに、「やっと見つけた、私の居場所」というナレーションがせつなくも希望を感じさせる90秒となっている。

あわせて公開となった場面写真には、俯いたまま表情の見えないコットの姿をはじめ、コットがおじさんのショーンと子牛の世話に挑戦したり、キンセラ夫婦に買ってもらった洋服をうれしそうに披露する様子など、様々なシーンが切り取られていて、孤独で感情を内に秘めていたコットが愛情をたっぷりと受け、生き生きと変化していく様子が感じられる。


これまでドキュメンタリー作品を中心に手がけてきたバレードが、瑞々しい映像で少女の成長を切り取った本作。映画に込められた新たな才能の息吹を、ぜひ劇場で感じてほしい。

文/スズキヒロシ

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