「東京コミコン2023」ベネディクト・カンバーバッチらが貴重なトークを展開「自分しか自分にはなれない」と金言も
千葉・幕張メッセにて、12月8日から10日の3日間にわたって開催されているアメコミ・映画・ポップカルチャーの祭典「東京コミックコンベンション 2023)(以下「東京コミコン2023」。12月8日にはエヴァンジェリン・リリー、ポム・クレメンティエフ、ベネディクト・カンバーバッチが登場するセレブ・ステージが行われ、3人が貴重なトークを展開した。
初めにステージに姿を見せたのはエヴァンジェリン。「前回は『アントマン&ワスプ』のプロモーションで大阪に越させていただきました。今回は東京の方に招待いただきまして、感謝したいと思います」と来日を喜んだ。
映画『アントマン&ワスプ』で、ポール・ラッド扮するアントマンとタッグを組むワスプを演じたエヴァンジェリンは、ファンからの「MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)でアントマン以外とチームを組むなら誰がいいか」という質問に「難しいですね」と思案。その上で、『マイティ・ソー』シリーズでロキを演じるトム・ヒドルストンも「東京コミコン2023」に出演中であることから、「トム・ヒドルストンが来ているので、ロキですかね」と挙げ、会場を沸かせた。
また、美しさの秘訣を聞かれたエヴァンジェリンは「美しさの元というのは、喜びであり感謝。喜んでおり、感謝をするということが、内面からの輝きに現れると思います」と回答。喜びや感謝はファンの存在からも得られているとしつつ、「私はサンタクロースのようで、本当は80歳なんですけれど、皆様の思いが私を若くさせてくれているので、私の若さのために引き続きファンでいてください(笑)」とジョークで笑いを誘っていた。
エヴァンジェリンの降壇後、次に登場したのは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのマンティス役などで知られるポム。頭に触角のあるマンティスを演じることになった時の心境を尋ねられると「私は『X-MEN』も含めスーパーヒーローの映画のファンで、非常に好きだったので、ジェームズ・ガン監督と一緒にやりたいと思っていた」とした上で、「『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のお話が来たときには、『なんでもいいからやる』『触角であろうと角であろうとやる』と思いました」と答えた。
ポムは過去に京都で生活していた経験も触れ、「京都に住んでいたのは3歳から5歳の2年間で、その時には日本語はペラペラだったんですが、完全に忘れてしまいました」と吐露。「もしかしたら催眠術を掛けてもらえれば(日本語の話し方を)思い出すかも」と笑い、「今思い出したのは、ハローキティがすごく好きで、宝物だった」と幼少期を懐かしんだ。
最後には登場することとなったベネディクトは、軽快なBGMに合わせて踊るように体を動かしながら姿を見せ、黄色い歓声を浴びた。
次に、役者を目指しているという質問者からの「あなたのような俳優になりたいのですが、キャリアを叶えるためにした努力や心掛けていることはありますか」という相談が読み上げられると、ベネディクトは「他の人の真似をしてはいけない」と釘を差しながらも、「非常に良い質問です。私自身がこの仕事を始めたのは生活のためではありますが、非常に情熱を持って好きなことをやれるということで幸せでした。その後は一生懸命努力をし、機会や運に恵まれたところもありました」と述懐。
そして「ただ、そういった運の先にあるものは、努力をしてここまで来たということ」と付け加え、「失敗を恐れないこと。失敗は学びでしかない。そして自分であれ。自分しか自分にはなれないから。トライし続けてください」とメッセージを贈った。
その後、ドラマ「SHERLOCK(シャーロック)」で演じたシャーロック・ホームズが考えている時のポーズやウインクなどのリクエストにも気さくに応じてイベントを盛り上げたベネディクト。最後には彼の舞台が好きだというファンから次回の舞台出演について問われると、「ありますけど、教えられません。私自身も舞台をずっとやりたいと思っていて、今、準備中のものがあるということだけはお話できます」と語っていた。
取材・文/山田健史