エマ・ストーンの舞いに色男が翻弄される!『哀れなるものたち』の奇妙なダンスシーンが解禁|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
エマ・ストーンの舞いに色男が翻弄される!『哀れなるものたち』の奇妙なダンスシーンが解禁

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エマ・ストーンの舞いに色男が翻弄される!『哀れなるものたち』の奇妙なダンスシーンが解禁

『女王陛下のお気に入り』(18)のヨルゴス・ランティモス監督とエマ・ストーンが再タッグを組んだ『哀れなるものたち』(1月26日公開)。本作は第80回ヴェネチア国際映画祭では最高賞の金獅子賞を、第81回ゴールデン・グローブ賞ではミュージカル・コメディ部門の作品賞と主演女優賞の2部門を受賞した。早くもアカデミー賞最有力候補作品として期待が高まる本作で、ランティモス監督作品ではお馴染みの奇妙なダンスシーン映像が解禁された。

天才外科医ゴッドウィン・バクスター(ウィレム・デフォー)
天才外科医ゴッドウィン・バクスター(ウィレム・デフォー)[c]2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

アラスター・グレイの傑作ゴシック小説を映画化した本作。自ら命を絶った不幸な若き女性ベラ(ストーン)は、天才外科医ゴッドウィン・バクスター(ウィレム・デフォー)の手によって奇跡的に蘇生する。ベラは“世界を自分の目で見たい”という強い好奇心に導かれるまま、放蕩者の弁護士、ダンカン(マーク・ラファロ)の誘いに乗って壮大な大陸横断の冒険へと出発する。

解禁されたのは、ベラとダンカンが情動にあふれる音に乗せてダンスに興じる様子をとらえた本編映像。体を駆け巡る衝動のままに四肢を動かすベラと、彼女のすべてを求めるかのように引き寄せるダンカン。絡み合いながら踊っていても決して意のままに操ることはできないベラを前に、愛憎の沼にはまっていくダンカンの苦悩が垣間見えるという、ランティモス監督作品ならではのダンスシーンとなっている。

蘇生したばかりのベラは、まるで子どものよう
蘇生したばかりのベラは、まるで子どものよう[c]2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

本映像の冒頭では、言い争うベラとダンカンが映しだされる。最初、ベラとの関係は遊びのつもりだったダンカンだが、次第に己が忌み嫌っていた“愛する女性を束縛する男”に自分自身もなりかけていることにいら立ちを隠せなくなる。しかし、バクスターのもとで籠の鳥のように暮らし、外の世界を知らずにいたベラは、すでに外の世界を吸収して急速に成長しており、彼の支配欲に駆られた感情を毅然とはねのける。

【写真を見る】今回も奇妙なダンスシーンは健在!ベラとダンカンが音に乗せてダンスに興じる
【写真を見る】今回も奇妙なダンスシーンは健在!ベラとダンカンが音に乗せてダンスに興じる[c]2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

バンドが音を鳴らし始めると、ベラへの抑えられない感情を語るダンカンをよそに、ベラはダンスホールに引き寄せられていく。音楽が誘うまま、1人楽しげに舞うベラと、そんな彼女の元へ踊りながら迫るダンカン。ダンカンがベラの腰を引き寄せ、2人で踊るように仕向けると、彼女も同調して一緒に踊りだす。しかし彼女はことあるごとに手を振りほどき、自分が思うままに1人で体を音にゆだねようとする。ほどなくしてテーブルに戻った2人だが、今度はベラに目配せする男性が現れ、それに反応するベラを見ると、ダンカンは怒りで我を忘れ、男性につかみかかる。

第81回ゴールデン・グローブ賞でミュージカル・コメディ部門の作品賞と主演女優賞の2部門を受賞
第81回ゴールデン・グローブ賞でミュージカル・コメディ部門の作品賞と主演女優賞の2部門を受賞[c]2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

男性の束縛を振り払い、ありのままに生きるベラについてストーンは「(この役を演じることは)女性であること、勇敢で自由であることを解き放ち、受け入れることのように感じました。社会的には、“皆は私のことを好きになってくれるだろうか?”と考えがちですが、彼女はそんなことは考えません」と、ダンカンと同じ時間を過ごしていても、ベラがなにからも制約を受けない自由な存在であることを示した。

『哀れなるものたち』は1月26日(金)より公開
『哀れなるものたち』は1月26日(金)より公開[c]2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

対照的に、多くの女性と付き合ったのちにベラへのめり込み、翻弄されていくダンカンについてラファロは、「ベラがありのままでいることを許容できたら、彼にとって彼女は完璧な女性なのです」と語り、「彼女は反抗的かつ大胆で、彼になにかを感じさせますが、彼の支配欲が関係性を壊してしまいます。いかなる猛烈なナルシストの根底にも、弱さや脆さが潜んでいます。ベラはそんな彼を押し開くのです」と、彼女の自由奔放な魅力にとらわれて打ちのめされていく惨めな男の内面性を説明した。


ストーンとラファロらの熱演が冴える、“生まれたての女性”という前代未聞の設定を持つベラの冒険を描く『哀れなるものたち』。ベラとダンカンがたどる波乱の旅は、2人をどのような結末に導くのか。豪華キャストが織りなす麗しくもダイナミックな冒険譚をぜひ劇場で堪能してほしい。

文/山崎伸子

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