マイケル・ファスベンダー演じる鬼コーチがブチギレ!『ネクスト・ゴール・ウィンズ』本編映像解禁
タイカ・ワイティティ監督が、第92回アカデミー賞脚色賞を受賞した『ジョジョ・ラビット』(19)の製作スタジオ、サーチライト・ピクチャーズと再タッグを組んだ最新作『ネクスト・ゴール・ウィンズ』(2月23日公開)。本作で、マイケル・ファスベンダーが演じる鬼コーチ、トーマス・ロンゲンの“ブチギレ”本編映像が解禁された。
2001年、ワールドカップ予選史上最悪の0-31という大敗を喫して以来、1ゴールも決められていない米領サモアチーム。次の予選が迫るなか、破天荒な性格でアメリカを追われたトーマス・ロンゲンがコーチに就任し、立て直しを図るが、果たして奇跡の1勝は挙げられるのか!?
2014年に、『ネクスト・ゴール!世界最弱のサッカー代表チーム0対31からの挑戦』としてドキュメンタリー映画化もされた奇跡の実話をベースに、『ソー:ラブ&サンダー』(22)などのハリウッド大作から、『ジョジョ・ラビット』といったセンスとユーモアにあふれた心打つ感動作まで幅広く手掛けるワイティティの監督、脚本で映画化された本作。主演のファスベンダーほか、オスカー・ナイトリー、エリザベス・モスなど実力派俳優たちが脇を固める。
解禁されたのは、世界最弱の米領サモアチームのもとへやってきた、荒々しい性格の鬼コーチ、ロンゲンが、あまりにも自身のディレクションスタイルと合わずに、怒りを爆発させてしまうシーンを収めた本編映像だ。
「彼と選手との関係は、嫌々ながら始まります」とファスベンダーが語るように、トップレベルのプロサッカー界で結果を残せずに飛ばされた米領サモアでの仕事が、自身のキャリアを守ることにつながる可能性がある…はず!という考えだけで、ロンゲンは本チームの監督に就任する。ワイティティ監督はそんなロンゲンのキャラクターを「彼は好戦的で不機嫌な中年で、サッカーというゲームに熱中するあまり仕事を続けることができないのです。彼はそれがゲームであることを忘れてしまっています」と補足し、自分自身がこの仕事以上の価値を持つ存在だと信じてやまず、ある意味、誰よりもサッカーを愛するがゆえ行動がちょっと行き過ぎているだけだと強調する。
ダイナミックなキャラクター描写に定評のあるワイティティ監督らしい演出と相性抜群である一方、実際のロンゲンの素顔はそこまでクレイジーではなかったようで、ファスベンダーはあえて意識的に本人には会わないようにして役作りに挑んだという。夫婦役で共演したモスは「彼はこの役をほかの誰かが演じているのが想像つかないほど、カメレオンのように溶け込んでいます」とファスベンダーの役者としての技量を称賛している。
ポリネシアならではの文化や、温かい人柄にも心温まるヒューマンドラマ『ネクスト・ゴール・ウィンズ』。怒りも感動も抑えることなく、あふれんばかりの喜怒哀楽が描かれているので、心が揺り動かされるはずだ。ワイティティ監督らしい笑いのエッセンスもふんだんに加わり、くすっと笑えて思わず涙する本作を、ぜひ楽しみにしてほしい。
文/山崎伸子