公開日よりIMAXでの上映が決定!『オッペンハイマー』カラー&モノクロ撮影のメイキングに迫る
クリストファー・ノーラン監督最新作『オッペンハイマー』が3月29日(金)より公開される。このたび、本作が全国のIMAX劇場50館で同時公開されることが決定。あわせて、2月16日(金)よりムビチケ前売券が発売されることが明らかに。さらに、メイキングカットも解禁となった。
世界初のカラー、モノクロIMAX撮影でホイテ・ヴァン・ホイテマがアカデミー賞撮影賞にノミネートをはたした本作。さらに、作品賞、監督賞を始め、アカデミー賞最多13部門にノミネートされた。第二次世界大戦下、世界の運命を握った天才科学者オッペンハイマーの栄光と没落の生涯を実話にもとづき描いた物語。ノーランが監督、脚本を務め、キリアン・マーフィーほかエミリー・ブラント、マット・デイモン、ロバート・ダウニー・Jr.、フローレンス・ピューらが出演した。IMAX撮影による、天才科学者の頭脳と心を五感で感じさせる作品となる。
今回、IMAX劇場での同時公開決定を受け、ノーラン監督の指揮の下、ヴァン・ホイテマがIMAXカメラで撮影するメイキングカットが初公開。撮影監督のヴァン・ホイテマは、ノーランとは『インターステラー』(14)以降すべての長編作品で組んでいる仲。本作では、IMAX65ミリと65ミリ・ラージフォーマット・フィルムカメラとを組み合わせた最高解像度の撮影を実践した。また、本作のためだけに開発された65ミリカメラ用モノクロフィルムを用い、史上初となるIMAXモノクロ・アナログ撮影も実現。ノーランは、J・ロバート・オッペンハイマー(マーフィー)の視点から語られるシーンを、映画の脚本としては異色の一人称で書き、カラー映像で表現。一方、第二次世界大戦後のアメリカの原子力政策に大きい影響力を持っていた人物、ルイス・ストローズを中心とする場面はモノクロ映像と、視覚的な描き分けが行われている。
ノーラン監督は「私とホイテが採用した撮影スタイルは、非常にシンプルだが、力強いものだ」と本作の撮影を語っている。「映画の世界と観客との間にいかなる障害もないこと、モノクロ映像以外、様式化されたところのない映像だった。特にカラー映像の場面は飾り気がなく、シンプルな映像を望んだ。できるだけ自然で、世界の肌触りを伝えてくれるようなものだ。衣装であろうと、セットであろうとロケであろうと、現実世界の複雑な細部を追い求めた」とこだわりを明かした。
ヴァン・ホイテマとノーランの撮影スタイルは物語のドラマにどのような深みをもたらしているのだろうか?本作をぜひIMAXのスクリーンで楽しんで欲しい。
文/鈴木レイヤ