北米で『「鬼滅の刃」絆の奇跡、そして柱稽古へ』が前作超え!閑散期を打ち破る“救世主”『デューン2』のプレビュー速報も
先週末(2月23日から2月25日)の北米興収ランキングは、前週首位デビューを飾った『ボブ・マーリー:ONE LOVE』(5月17日日本公開)が2週連続Vを獲得。週末3日間の成績は前週から半減したものの、累計興収は7000万ドルを突破。27日の火曜日には『Mean Girls』を抜き去り、閑散期つづきの2024年公開作の暫定No. 1に躍りでている。
今回取り上げたいのは、やはり2位に初登場を果たした『「鬼滅の刃」絆の奇跡、そして柱稽古へ』(日本公開中)。テレビアニメ「鬼滅の刃」の第3期「刀鍛冶の里編」の第11話と、第4期「柱稽古編」の第1話を劇場上映する同作は、日本でも公開1か月足らずで動員120万人、興収17億円を突破する大ヒットを記録。それでも1年前に同じような形式で公開された『「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』(23)と比較すると少々勢いは弱い。
ところが北米では、初日から3日間で興収1150万ドルを記録。これは昨年の『上弦集結〜』の初日3日間興収1011万ドルを上回る成績であり、もちろん上映劇場が200館弱増加していることがプラスに働いたと考えることもできるが、1館あたりのアベレージ興収は前作以上。しかも23日の初日デイリー興収では、『ボブ・マーリー』に大きな差をつけて1位発進。日本と同様、あるいは日本以上に北米での“鬼滅人気”は衰え知らずのようだ。
とはいえ北米興行はまだまだ閑散期のまっただなかから抜けだせていない。ヒラリー・スワンクが主演を務めた『Ordinary Angels』は3位スタートも、初日から3日間の興収はわずか616万ドル止まり。また、コーエン兄弟の弟イーサン・コーエンが単独でメガホンをとったマーガレット・クアリー主演のコメディ『ドライブアウェイ・ドールズ』(6月7日日本公開)は、初日から3日間で興収240万ドルにとどまり8位デビューとなっている。
そうなると、3月1日に北米での公開がスタートした『デューン 砂の惑星PART2』(3月15日日本公開)への期待はますます高まるばかり。すでにプレビュー上映では前作『DUNE/デューン 砂の惑星』(21)の倍以上となる1200万ドルの興収を叩きだしており、世界各国でのプレビュー上映の成績も累計2000万ドル以上と上々。週末3日間の北米興収予測は7000万ドルから8000万ドルで、なかには9000万ドル以上もあり得るという希望に満ちた予測も見受けられるほど。
批評集積サイト「ロッテン・トマト」では、すでに批評家からの好意的評価94%、観客からのそれも95%と前作を上回る評価を獲得している『デューン 砂の惑星PART2』。前作はコロナ禍で進んでいた“映画館離れ”から客足を取り戻すきっかけを作ったが、今作でも“救世主”となり、長くつづく閑散期を打ち破ることができるのだろうか。次回の当記事では、作品評価も含めて深掘りしていきたい。
文/久保田 和馬