「まったくの初体験」アニャ・テイラー=ジョイ&クリス・ヘムズワース、シネマコンで巨匠ジョージ・ミラー監督の手腕を称賛
現地時間4月8日から11日にかけてラスベガスで行われた、劇場経営者やメディア向けのコンベンションの「CinemaCon 2024」を現地レポート。ワーナー・ブラザースのスタジオプレゼンテーションにて、「マッドマックス」シリーズ5作目『マッドマックス:怒りのデスロード』(15)に登場した人気キャラクター、戦士フュリオサの過去を描く『マッドマックス:フュリオサ』(5月31日公開)から、フュリオサを演じたアニャ・テイラー=ジョイ、ディメンタス将軍役のクリス・ヘムズワース、ジョージ・ミラー監督が登壇した。
シリーズの創始者であるミラー監督は、本作の制作のきっかけについて「『怒りのデスロード』で描かれる3日間を正確に伝えるためには、その過去、およそ16~18年の間になにが起こったかを明らかにしなければならなかったのです。乗り物や小道具、登場人物、身振り…物語の発端がなんだったかを知る必要が。そこで私たちはフュリオサについてのバックストーリーを書いたのです」。テイラー=ジョイは、「これは“不可能な希望”に立ち向かう一人の女性の、絶え間ない献身の物語です。このキャラクターを演じられたことを誇りに思います。前作でシャーリーズ(・セロン)の演じるフュリオサに恋をしましたが、まさかこんな機会を得られるとは想像もしていませんでした。ありがとうジョージ!」と、改めてミラー監督に感謝の言葉を述べた。
そして本作におけるヴィラン、フュリオサの人生を狂わせたディメンタスを演じるヘムズワースは役作りについて「撮影開始の何年も前に、ジョージと私は最初の脚本を読んで話し合いました。ディメンタンスはひねくれて残虐な性格である一方、バイカーの大群や遊牧民たちを荒野の向こうにある希望に導く、カリスマ的要素も必要だと考えました」。その参考にしたのが歴史における独裁者だったという。「独裁者たちの理念やどんな末路だったかを参考に、彼がなにをモチベーションに行動していたのか、そして大衆を先導できるプレゼン方法、動き方、服装、話し方を決めていきました。一方である種のユーモアも用いながら、人々に『私はあなた方が抱える問題を理解していて、それに対する解決法を持っているんだよ』と言って警戒心を解き、信頼を勝ち取ることができたんだと思います」。
ミラー監督はヘムズワースのキャスティング理由について、「このディメンタスという普通ではないキャラクターを演じる俳優が思いつかなかったのですが、クリスのことを知ったんです。彼と話をしたらとても多岐にわたる話ができました。クリスは脚本を読んで自身の考えを語ってくれました。私は、彼はこのキャラクターがあるべき姿を再現できる洞察力を持ち合わせていると感じたんです」。
テイラー=ジョイ、ヘムズワースも巨匠、ジョージ・ミラーのリーダーシップと手腕を手放しで称える。テイラー=ジョイは「今回の撮影はまったくの初体験でした。ジョージは3つのユニットをフル稼働させながら完全にコントロールしてみせるんですよ!画面に映るものはすべてジョージ本人が、あえていいますが”手描き”をしていると表現してもいいくらいです」と絶賛し、ヘムズワースは「こんなに威圧的で恐ろしく、騒々しく、疲れ果ててしまうような現場にいたことがありませんが、それでも完全に安全で制御されていると感じました。これが私たちが進むべき方向であると世界に自信を持って言えると思います」。
プレゼンテーションでは新映像もお披露目。“緑の地”の住民だった幼いフュリオサがディメンタス将軍の一味によって連れ去られ、最愛の母を奪われたことで“怒りの戦士”として覚醒していく様や、将軍との死闘の一部などが大迫力に描かれる。『怒りのデスロード』でも印象深かった民衆による「フュリオサ!」コールで締めくくられた映像が終わると会場も大いに盛り上がり、アドレナリン全開の「マッドマックス」サーガ最新作の公開に向けて、さらに期待が高まった。
取材・文/別所樹(編集部)