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藤井道人が自身初の国際プロジェクトをチャン・チェンと語り合う「この物語の感動を次世代の役者やフィルムメーカーに伝えたい」

インタビュー

藤井道人が自身初の国際プロジェクトをチャン・チェンと語り合う「この物語の感動を次世代の役者やフィルムメーカーに伝えたい」

「グァンハンは現場でもカメラマンたちを惹きつける独特の魅力を放っていました」(チャン・チェン)

――監督はチャン・チェンさんが制作過程でご自分のアイデアを加えられたとおっしゃいました。18歳のジミーのロマンティックなシーンや告白のセリフなど、ご自身の経験も反映されていますか?

18歳のジミーは天真爛漫なアミと過ごすうちに、彼女に惹かれていく
18歳のジミーは天真爛漫なアミと過ごすうちに、彼女に惹かれていく[c]2024「青春 18×2」film partners

チャン・チェン「私は経験と言えるものはなにもないです(笑)。仕事の時にはプライベートとははっきり分けています。そして、基本的に創作とは監督を尊重すべきものです。ですから監督の初稿脚本から、私はそれほど多くの変更を行っていません。いま皆さんがご覧になる完成版は元々の旅行エッセイにとても近い形のものです。こうして大きくは改変しない前提で、巧みに物語を調整する。それで十分だと思いました。セリフはあくまでも俳優から出されるものだから、グァンハンと調整を行いました。言い回しが非常に重要なため、なにか言いにくい場所はないかと、監督の元々の意味を改編しないという前提に、セリフをより自然に調整しました」

――1人で18歳のジミーと36歳のジミーを演じ分けたグァンハンさんをどのように見ていましたか?

チャン・チェン「俳優にとって、これほど長い時間をまたぐ役のお芝居をするのは難しいことです。グァンハンの出演が決まってクランクイン前から、会う度にそっと『おもしろい試練に挑戦できるチャンスだ』と言い続けました。観客からすると、以前ドラマで彼が演じた制服姿の高校生役のイメージが強く焼き付いていると思います。今回の作品を通じて彼の外見を変え、高校も大学も卒業し社会に入り大人になる。こうして観客のなかの彼に対するイメージを変えることができればいいなと思いました」

シュー・グァンハンが1人で雰囲気が異なる18歳のジミーと36歳のジミーを演じ分ける
シュー・グァンハンが1人で雰囲気が異なる18歳のジミーと36歳のジミーを演じ分ける[c]2024「青春 18×2」film partners

――俳優の先輩としてグァンハンさんをどのような俳優だと思いますか。ご自身の若い時の特徴を彼から感じたことはありますか?

チャン・チェン「とてもまじめな俳優です。本読みから現場まで非常に集中力が高く、そして聡明。私たちはそれほど似ているとは思いません。演じ方もあまり似ていません。でも共演したらおもしろいと思います。2人ともタイプも演技法も違いますが、演技における理念は近いです。もし共演できたらみなさんの想像を超えるものが生みだせると思いますね。彼は現場でもカメラマンたちを惹きつける独特の魅力を放っていました」

――ご自身も出演したかったのでは?

チャン・チェン「いいえ。今回は切り分けていました。プライベートで次回の作品はこんなことで演じるとしたら…などのお話は監督としましたが。今回は初めての合作で始まりです。いまは政府の国際合作に対する補助も多いですし、いいタイミングだと思います。もし藤井監督がほかの海外との合作などに興味をお持ちでしいたら、異なる場所には異なるプロジェクトがありますので、是非チャレンジしていただきたいです」

役者として活躍しているチャン・チェンは、本作で初めてエグゼクティブ・プロデューサーとして映画作品に参加
役者として活躍しているチャン・チェンは、本作で初めてエグゼクティブ・プロデューサーとして映画作品に参加[c]2024「青春 18×2」film partners


――役者のチャン・チェンさんといつか一緒にタッグを組みたいという願望はありますか?

藤井「いつもありますし、いつもオファーしています。今回はプロデューサーとして作品に向き合ってくれるという話でした。次は主演でちゃんとオファーできるようにしたいなと思います」

――チャン・チェンさんは再びエグゼクティブ・プロデューサーをやりたいと思いますか?

チャン・チェン「企画と内容次第ですね。私の本業は裏方ではないので。でも製作の仕事には非常に興味があります。今回はプロデューサーとして様々な問題にも直面しましたが、それはいままで俳優として経験してこなかったことです。とても貴重な経験になりました。もし今後機会があれば、また挑戦したいです。資金面は私には不得手な部分で、別のプロデューサーに頼り切っていました。冗談でよく、私のコンセプトとしては、お金は使い切るもので、さらに多くのお金を手に入れ、もっと作品制作に使うというものです。お金はやりたいことを実現させるというものですと言っていました。ですから、いいエグゼクティブ・プロデューサーではないかもしれませんね(笑)」

取材・文/編集部

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