松本潤の目力が強すぎ!「40%に落として」と行定監督がお願い
クリエイターを招く「Perspectives」と題したトークセッションが8月27日にApple銀座で開催され、嵐・松本潤主演、有村架純共演のラブストーリー『ナラタージュ』(10月7日公開)の行定勲監督と原作者の島本理生が登壇。2人が映画と小説の制作秘話や、松本潤や有村架純らの演技について語り合った。
行定監督は『ナラタージュ』の映画化について「すごい思い入れがありました」と語気を強める。実は2005年の小説出版直後に映画化の話が上がったが実現せず、紆余曲折を経てようやく映画化できたそうだ。島本は完成した映画について「観終わった後、すごい放心状態でした。とにかくひとつひとつの場面があまりにも強烈に残ったので。うれしかったです。こういう映画ができあがって」と手放しで絶賛した。
島本は「王道の恋愛映画に収まっていない理由のひとつに、松本さんの演技がありました。どういう雰囲気になるのかと思っていて。観終わった後、表情が残って消えなかったです」と葉山先生役の松本の演技に驚いたそうだ。
行定監督は松本について「自分の技術に対して、監督の思っているところに着地したいという完璧主義の方」と賞賛する。「松潤は目力が強くて120%くらいある。パキッとした光が似合うんですが、それをほぼ逆光でとらえて輪郭をぼかしてみようかと。『目力が強いよね。40%にしてくれる?ブラインド下ろせるでしょ?』と聞いたら、『やったことないけどやってみます』とやってくれました」。
また、行定監督はヒロインを演じた有村架純について「濡れ場もあるし、覚悟も必要だった。映画女優としてのプライドをすごく大切にしている」と評価する。島本も「全編通して有村さんの芯の強い感じ、先生を思い続ける感じが最初から最後まですごく感じられたのが映画として良かったんじゃないかと」とうなずく。
行定監督は「あるシーンで非常に不細工な顔をするのが素晴らしくて、めちゃくちゃ感動しました。それを本人に伝えたらすごくうれしかったらしくて」と言うと、島本も「怒るシーンで本当に怒ってるんですよね。演技を超えた生っぽいところがあって。それがぐっときました」と感心しきりだった。
さらに島本は、小野を演じた坂口健太郎について「原作者としてほぼほぼ100点満点。すごい再現性の高さ。感情の細かい動きがすごい上手でした」と興奮しながら言うと、行定監督も「僕も初めて仕事をしたんですが、器用さをもっていて軽やかでした」と坂口を称えた。
『ナラタージュ』は2006年版「この恋愛小説がすごい」第1位に輝いた島本理生の恋愛小説の映画化作品。高校教師(松本潤)と生徒(有村架純)が時を経て再会し、究極の恋に落ちるという恋愛模様が描かれる。『世界の中心で、愛をさけぶ』(04)の行定勲監督がメガホンをとった。【取材・文/山崎伸子】