『猿の惑星/キングダム』スペシャルステージで悪役、プロキシマス・シーザーの魅力を竹内力が力説!「猿の世界をよりよくしようとし、彼なりの正義がある」
インテックス大阪で開催中の「大阪コミックコンベンション 2024」(略称:大阪コミコン2024)。イベント2日目の5月4日には、5月10日(金)に公開が控える『猿の惑星/キングダム』のスペシャルステージを実施。本作に登場する冷酷な独裁者、プロキシマス・シーザーの日本語吹替えを担当した俳優の竹内力がステージに登場した。
物語の舞台はいまから300年後の世界で、絶対的支配を目論む猿たちが巨大な帝国“キングダム“を築こうとしていた。一方、退化した人類は野生動物のような存在に。この世界で生きる若い猿のノアは、ある人間の女性と出会う。人間のなかで「誰よりも賢い」とされる彼女は、猿たちからねらわれていた。彼女と行動を共にするうちに、ノアは誕生しつつあるキングダムに違和感を抱き始める。
MCを担当するアメキャラ系ライターの杉山すぴ豊による案内のもと、大阪コミコン2024のPR大使を務めるNMB48から、坂田心咲、塩月希依音、安部若菜が登壇。一足早く本作を鑑賞したという4人が、感想やシリーズのおもしろさを語り合うところからイベントがスタートした。
世代的に本作が初めて劇場で観た「猿の惑星」だったというNMB48の面々。猿たちを映像化したデジタル技術の進歩に驚き、「本物の猿と並んでも見分けがつかない」「猿らしいアクションのリアリティもすごい」と感動しきり。また、シリーズに初めて触れる人にもオススメできる作品ということで、「すぐに作品に入り込めた」「理解しやすくておもしろい」という意見も飛び交っていた。
イベントが盛り上がるなか、『猿の惑星/キングダム』日本語吹替版の特別映像がスクリーンに映し出され、映像の中で「なんてすばらしい日だ!」と何度も連呼していたプロキシマス・シーザー役の竹内力がステージに呼び込まれる。まず、プロキシマス・シーザーがどんなキャラクターか?の説明を求められた竹内は、シーザーそのままの迫力ある声色で「カリスマ性があり、腕っぷしが強く、知性があり、話術が巧み。戦略家でもあります」とコメント。熱いファンサービスに観客からは興奮と笑いの交じった声が湧き上がっていた。
プロキシマス・シーザーは悪役の位置にいるが、その言葉には説得力があり、演説上手でもあるという。このことについて「猿の世界をよりよくしようとしていて、彼なりの正義がある。人間側から見たら完全に悪で、犠牲になっていく猿もいるわけだけど…。難しいですね。結局、人間も猿も争いが好きなんですよね」と語っていて、複雑で深みのあるキャラクターであることをうかがわせた。
シリーズに対する思い入れについては、「小学生の頃にテレビで放送された第1作を観たのが、初めての『猿の惑星』でした。ラストシーンで自由の女神が現れて、ここは地球だったんだ!とわかる描写に衝撃を受け、学校に行ってもみんなその話題でもちきりでした。あの衝撃がみんなに刻まれていたんだな」と当時の記憶を呼び起こす。
そんな思い出深い「猿の惑星」の日本語吹替えをオファーされたことは、「うれしいですよね。俳優という仕事を始めて、こうして自分が子どもの頃に感動した作品に携われるというのは」と感無量だった様子。
今回、猿の役ということで、「鼻息の荒い感じとか、セリフよりもそういった動物らしい息づかいの方が難しかったかな。フーッ!みたいな」と実演しながら説明する竹内。アクションシーンになるとセリフ回しはより難しくなったそうで、「自分もアクションをやって来ているので、つい体を動かしちゃって(笑)。そうすると、口がマイクから外れて音が取りきれなくなるんです。なので、なるべくマイクに近づいた体勢で演じないといけないのがやりづらかった」と苦労した点を振り返る。
さらに、「猿っぽくセリフを言ってみたりもしたんですよ」と上唇を膨らませてみせてくれたのだが、「自分では納得できたんですけど、ディレクターによると滑舌が悪かったみたいで…。吹替えにならないということで普通に話すことにしました。言葉が聞き取れないと意味ないですからね(笑)」と苦笑い。
このように竹内が試行錯誤しながら日本語吹替えに挑んだプロキシマス・シーザーも活躍する『猿の惑星/キングダム』。イベント終盤には、NMB48の3人がそれぞれの感じた魅力、感動したポイントを挙げることに。坂田は「映像のきれいさにものすごく驚きました。猿の毛並みだったり、自然の葉っぱの繊細さだったりとか、技術がものすごく発達していました。音の響き方も(劇場の)大きなスピーカーでしか味わえない臨場感あるものでした」と映像や音響の部分に特に惹かれたそう。
続いて、塩月が「え!どうなるの?という展開の連続に、自分の心が遊ばれたというか、何度も予想を裏切られるところがおもしろかったですね。ずっとのめり込んで観ていました」と大絶賛。
「全作を観返してきた」という安部も「最新作から観始めても、もちろん楽しめるのですが、過去作を観ておくと『これはあの時に出てきたアレだな』や『あのシーンのやつだな』みたいな発見がいくつもあって楽しかったです。技術の進化もより感じられて、これが2024年の新しい『猿の惑星』なんですね。シーザーのカリスマ性もすばらしかったです」と熱弁。今後、本作をきっかけに「猿の惑星」シリーズにハマる人が増えるかもしれない。
いよいよ公開まで1週間を切った『猿の惑星/キングダム』。海外のレビューサイトでは高評価を軒並み獲得していることもイベント内では言及されていた。果たして、進化した猿と退化した人類はどのような道を歩んでいくのだろうか?その行方を映画館で確かめてほしい。
取材・文/平尾嘉浩