“騒音ドライブ”に悲鳴が…話題の北欧ホラーは不快指数MAX!
第38回サンダンス映画祭でワールドプレミア上映されるや「もっとも不穏な映画」と話題をさらい、世界各国の映画祭を席巻。地元デンマークのアカデミー賞では11部門にノミネートされ、さらにブラムハウス・プロダクションズ製作でハリウッドリメイクも決定している北欧ホラー『胸騒ぎ』(公開中)。本日公開を迎えた本作から、不快指数MAXの本編映像が解禁された。
イタリアでの休暇中、デンマーク人夫婦のビャアンとルイーセ、娘のアウネスはオランダ人夫婦のパトリックとカリン、その息子と出会い意気投合。後日彼らからの招待状を受け取ったビャアンたちは、人里離れた彼らの家を訪れる。再会を喜んだのも束の間、会話のなかで些細な違和感が生じ、それはだんだんと広がっていく。オランダ人夫婦の“おもてなし”に居心地の悪さと恐怖を覚えながらも、その好意をむげにできないビャアンたちは、週末が終わるまでの辛抱だと自分たちに言い聞かせるのだが…。
このたび解禁された本編映像に収められているのは、パトリック夫妻との違和感だらけの晩餐会のあとに描かれる車中でのトラブルシーン。ほろ酔いでご機嫌なパトリックは、真っ暗な夜道で車を飛ばしながらカーステレオにカセットをセット。爆音で音楽を流すパトリックに、音量を下げるようビャアンが求めるも、聞く耳を持たない。さらにカリンがかたちだけの謝罪をした直後、再び音量を上げるパトリック。すると怒りが限界に達したルイーセが絶叫。オランダ人夫婦はそれをあざわらうように笑い続ける…という地獄のようなドライブシーンとなっている。
劇中には、ほかにも自動車を使ったシーンが登場し、そこで起こるすべての出来事に“狂気性”が刻まれている。メガホンをとった北欧の新たなる鬼才クリスチャン・タフドルップ監督は、「映画作家として贈り物を授かったような気持ちで表現をすることができた」とこれらのシーンに自信たっぷり。デンマーク人家族を地獄へと引きずり込み、観客の感情をとことん翻弄するドライブシーンに注目しながら、この悪夢のような週末を存分に味わってほしい。
文/久保田 和馬