黒沢清監督&柴咲コウが「大変だった」と振り返るシーンとは?『蛇の道』インタビュー映像を独占入手
『岸辺の旅』(15)や『スパイの妻 劇場版』(20)など国際的評価の高い黒沢清監督が、1998年に手掛けた同タイトルの自作をフランスを舞台にセルフリメイクした『蛇の道』(6月14日公開)。このたび本作から、黒沢清監督と主演の柴咲コウが制作の舞台裏を語るインタビュー映像をMOVIE WALKER PRESS独占で入手した。
愛娘を何者かに殺されたアルベール・バシュレ(ダミアン・ボナール)は、パリで働く心療内科医の新島小夜子(柴咲)の協力を得ながら犯人探しに没頭、復讐心を募らせていく。事件に絡む元財団の関係者たちを拉致監禁し、彼らから重要な情報を手に入れるアルベールだったが、やがて思いもよらぬ恐ろしい真実に直面することとなる。
インタビュー映像には、黒沢監督と柴咲がリメイク版ならではの演出や印象的なシーンの撮影の舞台裏について語る姿が収められている。リメイク版を制作するにあたり主人公の性別を改変した意図について黒沢監督は「フランス人のなかにたった一人の日本人ですし、むさ苦しい男ばかりのなかにたった一人の女性ですから、ある種の危うさとか緊張のようなものが画面から漂ってくるだろうと思っていました」と語る。
また柴咲は小夜子という人物像を作りあげる上で「立ち位置や技術的な部分だったり、光の加減とかがあるからここに、というのとはまた違う心情を伴った動きみたいなものは演出のなかでもあったかと思います」と黒沢監督の演出からヒントを得たことを告白。一方黒沢監督は、とあるシーンでの柴咲の身のこなしに驚かされたそうで、「車に乗ってから発車するまでの速さ。これはおそらく映画史上最速のワンカットです」と太鼓判。
さらにメインビジュアルにもなっている印象的な拉致シーンの舞台裏のエピソードなどを振り返り、「大変だった」と口を揃える2人。黒沢監督が自ら「最高傑作ができたかもしれない」と公言するほどの自信をのぞかせる本作。国境と26年の時を経てよみがえったリベンジサスペンスを、是非ともスクリーンで目撃してほしい。
文/久保田 和馬