シャマラン父娘が放つ“覗き見”ホラー『ザ・ウォッチャーズ』をネタバレなしで予習!
衝動的な性格の青年:ダニエル(オリバー・フィネガン)
4人のなかで最年少のダニエルは、衝動的で未熟な19歳の青年。劣悪な家庭環境から逃れるために家出をしたというバックグラウンドがあり、その道中で森に迷い込むことになったという。
ダニエル役を演じたオリバー・フィネガンは、ロンドンのシルビア・ヤング・シアター・スクールで演技を学び、少数の優秀な俳優にだけ授与されるアンドリュー・ロイド・ウェバー奨学金を授与された経験のあるエリート中のエリート。「彼は驚くほどいい役者です。本当にたくさんの才能あふれる若い俳優たちとオーディションで出会い、そのなかにはこの役を演じられそうな俳優がたくさんいました。でもオリバーがテープを送ってきた時、彼がダニエルだと思ったんです」と、イシャナ監督はその群を抜いた存在感と個性に魅了されたことを明かす。
“ガラス張りの部屋”のリーダー:マデリン(オルウェン・フエレ)
そして、長い期間ガラス張りの部屋で生き続け、リーダー的な役割を担う60代の女性マデリン。望んでこの森へと足を踏み入れたという彼女を演じるのは、芸術家として国際的に活動しているオルウェン・フエレ。俳優として『きっとここが帰る場所』(11)や『悪魔のいけにえ -レザーフェイス・リターンズ-』(22)などに出演する一方、自ら共同監督を務めた短編映画で国際映画祭のグランプリに輝くなど、マルチに活躍する実力派。
「彼女はとても素敵な人です。オーディションに来てくれたけれども、実はその前に何人かが彼女の名前を挙げていました」と語るイシャナ監督。「とても幽玄な印象と、別世界から来たような雰囲気を持ち合わせており、この映画の本質を象徴するような人です。彼女はこの映画の雰囲気を作りだすために完成させなければならないパズルの最後のピースになってくれました」と称賛。彼女の存在なくして本作は成し得なかったのかもしれない。
それぞれ心に闇を抱えた彼ら4人は、ガラス張りの部屋でどんな体験をすることになるのか…。謎に包まれた“監視者”の正体と、そこに隠された驚くべき真実を、劇場で目撃してほしい。
文/久保田 和馬