山田尚子監督最新作『きみの色』まぶしい青春を切り取った“音ビジュアル”
8月30日(金)より全国公開される長編アニメーション映画『きみの色』から、登場キャラクターが音楽を奏る姿を収めた“音ビジュアル”が解禁された。
本作は興行収入19億円の大ヒットとなり、社会現象を巻き起こした『映画けいおん!』(11)、『映画 聲の形』(16)で監督を務めた山田尚子の最新作となる完全オリジナル長編アニメーション映画。人が「色」で見える高校生のトツ子をはじめとした少女たちが、それぞれに向き合う自立、葛藤、恋模様を絵画のように美しい映像で描きだす。脚本を務めるのは、スタジオジブリや、京都アニメーションの数々の大ヒット作品を手がけ、山田監督とは「けいおん!」シリーズ以降、幾度となくタッグを組んでいる吉田玲子。音楽は『映画 聲の形』、『リズと青い鳥』(18)など山田監督作品のほか、「チェンソーマン」でもサウンドトラックを手がけた作曲家の牛尾憲輔が担当。また、声優には日暮トツ子役に鈴川紗由、作永きみ役に高石あかり、影平ルイ役に木戸大聖という1600人に及ぶオーディションから選ばれた3人が決定。また、3人を導くシスター、日吉子役を新垣結衣が務める。
先日フランスで行われた第49回アヌシー国際アニメーション映画祭でも上映され大きな話題となり、続く第26回上海国際映画祭にて、金爵賞アニメーション最優秀作品賞を受賞。日本作品としては5年ぶりの快挙となり、授賞式に出席した監督の山田は、檀上でトロフィーを受け取り「アニメーションは素晴らしい力を持っていると思います。これからも世界中に向けて、たくさんのアニメーションを作っていけたらと思っています」と受賞の喜びを語った。
このたび解禁されたのは、トツ子、きみ、ルイの3人の姿を描いた“音”ビジュアル。いまにも3人が奏でる音色が聞こえてきそうなほど躍動感のあるデザインに仕上がっている。3人が汗を光らせながら生き生きとした表情でライブをしている画を切り取った青春の一瞬が詰まった1枚だ。劇中のシーンとは衣装が異なり、今回特別に書き下ろしされたもので、監督の山田は「3人のライブリハーサル風景を切り取った、かけがえのない一瞬です」とコメント。続けて「とてもカッコよくて、先の色に溢れたキービジュアルとの対比にどきっと胸が高鳴りました」と“音ビジュアル”への想いを語っている。
そんな“音ビジュアル”の解禁とあわせて、本作のオリジナル・サウンドトラックの発売が決定。8月28日(水)には、牛尾憲輔による劇伴、劇中曲全52曲を収めた「映画『きみの色』オリジナル・サウンドトラック all is colour within」が発売予定。CD2枚組仕様で、Disc1には本編劇伴、Disc2には劇中バンド曲の新録フルサイズver.のほか、特報用楽曲やスケッチ音源など本編未使用音源が収録されている。あわせて同日に、トツ子、きみ、ルイによる劇中バンド“しろねこ堂”の楽曲3曲をフルサイズバージョンで収録したマキシシングル「水金地火木土天アーメン」と、劇中でも使用された「水金地火木土天アーメン(DEMO ver.)」をはじめ、完成した状態とは異なるメンバーの貴重な作曲中&練習中の未完成デモバージョンを全3曲収録した「しろねこ堂デモテープ」がシングルカセットで発売される。さらに10月23日(水)には、「映画『きみの色』オリジナル・サウンドトラック all is colour within」のLP盤2枚組がリリース予定。ファン必聴のサントラをぜひゲットしていただきたいところ。
また宝島社文庫よりノベライズ「小説 きみの色」が7月12日(金)に発売決定。ノベライズ版では、文章ならではの繊細かつリアルな人物描写に触れることができる。さらに、毎月16日(いろ)の日に本作を彩る魅力について迫るYouTube企画【『きみの色』color palette】が東宝MOVIEチャンネルにて連載中。6月16日の回は牛尾憲輔、7月16日は主人公3人の声を担当する、鈴川&高石&木戸のもつ“color palette”に迫る内容になる。
主人公の高校生の葛藤や成長が美しいアニメーションと情感豊かな音楽で表現される本作。瑞々しい青春の1ページをぜひ劇場で体感してほしい。
文/スズキヒロシ
※高石あかりの「高」は、「はしごだか」が正式表記