『インサイド・ヘッド2』で新たに登場する感情…なぜこの4つが選ばれた?監修した心理学者が解説!

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『インサイド・ヘッド2』で新たに登場する感情…なぜこの4つが選ばれた?監修した心理学者が解説!

「トイ・ストーリー」シリーズ、「モンスターズ・インク」シリーズ、『リメンバー・ミー』(18)など数々の心温まる感動作を贈り届けてきたディズニー&ピクサー最新作『インサイド・ヘッド2』(8月1日公開)。前作から少しだけ大人になった女の子、ライリーの頭の中に広がる“感情の世界”を描く本作で新たに、シンパイ、イイナー、ダリィ、ハズカシという大人の感情たちが登場する。学術研究においては全部で20~25個あるとされている感情のなかから、その4つの感情が選ばれた理由について、監修を務めた心理学者が語っている。

『インサイド・ヘッド2』は8月1日(木)より公開
『インサイド・ヘッド2』は8月1日(木)より公開[c]2023 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

日本に先駆け全米をはじめ世界各国で公開されるや、アニメーション史上歴代No.1オープニングとなる歴史的な大ヒットスタートを記録した本作。世界興収は『アナと雪の女王2』(19)の25日間、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(23)の26日間を超え、アニメーション映画史上最速で興行収入10億ドルを突破する特大ヒットとなった。

ピクサーはこれまで数多くの名作を贈りだしてきたが、リアルなアニメーションの描写と世界中が共感できる物語は“徹底的なリサーチ”によるところが大きい。『リメンバー・ミー』ではメキシコへリサーチ・トリップを何度も行い、風景だけでなくその文化や伝統も尊重して描き、『ファインディング・ニモ』(03)では魚類学者から講義を受けて、115リットルの水槽を実際に制作して海の中の世界を表現した。前作『インサイド・ヘッド』(15)でもピート・ドクターら制作陣は、科学者や心理学者に専門的な話を聞く入念なリサーチを経て制作を行っており、続編となる本作もケルシー・マン監督らは同様のステップを踏んでいる。

高校入学という人生の転機を控えた頑張り屋の少女ライリー
高校入学という人生の転機を控えた頑張り屋の少女ライリー[c]2023 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

前作に引き続き、本作で心理学の監修を務めたダッチャー・ケルトナー博士は、「彼らに最初に聞かれたのは、『新しい感情のキャラクターを出したいのですが、どんなものがあるでしょうか』ということでした。感情についての研究はかなり進んでいて、そのいくつかは日本でもされています。『インサイド・ヘッド2』に出てくる新たな感情は4つですが、例えば愛、楽しみなどほかにもあって、全部で20~25ほどあります。それらのなかから、彼らは、ティーンにとって難しく、ある意味ミステリアスなものを選んだのです。羨望(イイナー)は、13歳の子どもたちの中にしっかりと存在する感情です」と、最新の研究内容について交えつつ明かす。


【写真を見る】11歳だったライリーは13歳に。ちょっぴり大人になったビジュアルへ!
【写真を見る】11歳だったライリーは13歳に。ちょっぴり大人になったビジュアルへ![c]2023 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

同じく監修として参加した、ティーンエイジャーの心理に詳しい、リサ・ダムール博士は「彼らとの会話では、心配という感情は、健全で手助けをしてくれるものでもあるということをお話ししました。それに、ティーンエイジャー、とりわけ女の子は自分に非常に厳しくなりがちで、自分が期待されているほどできていないと思うと、自分を罰する傾向があるような完璧主義であるということについても話しました」と語っている。

制作陣はリサーチで得た情報を本作に反映し、思春期を迎えたライリーが先輩に憧れて背伸びした行動をしてみたり、できていない自分に対して強い不安を抱いたり、と大人になっていく過程で誰もが一度は経験したことのある悩みや葛藤を抱える姿を描いている。

少しずつ成長していくライリーの中に、“最も難しく、ミステリアス”な大人の感情シンパイ、イイナー、ダリィ、ハズカシが新たに現れたことで“感情の嵐”が巻き起こり、優しくて頑張り屋さんのライリーは自分らしさを失っていく。そんなライリーの物語と、優しさに包まれる感動のラストをぜひ劇場で見届けてほしい。

文/山崎伸子

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