『キングダム 大将軍の帰還』山崎賢人と大沢たかおがシリーズを振り返る「みんなで”天下の大将軍“を目指してきたチームだった」
「本当に王騎将軍のように背中を見せてくださる大沢さんが、かっこいいなと思っていました」(山崎)
「今回の趙軍との戦いのシーンはあまりにも壮大で、とても大変な撮影でしたが、王騎将軍の背中とか戦いぶりを間近で見ることが多かったので、とにかく自分は信として、自分の責任を果たすのだという気持ちを強く持って演じていました」と、撮影現場での大沢から多くを学んだことを明かす山崎。「大沢さんは言葉でアドバイスをくれたり演技について語るわけでもなく、本当に王騎将軍のようにその姿を見せてくださる。それがまたかっこいいなと思っていました」。
それについては大沢も「王騎の言葉は信へのメッセージ。自分の人生を通じて感じたことを誠実に伝えなければという想いはあります。ただ王騎は面と向かってなにかを教えるタイプではないので、一緒にいて戦う姿を見せることが、王騎なりの伝え方なんです」と明かし、「現場では信と王騎と同じ距離感でいることをすごく意識しました。最初は緊張感のある距離のほうがいいと思いましたが、2作目以降は自然にいろんなことを話すようになり、だんだんと信と王騎のような関係性が山崎くんとも構築できたのではないかと思います」。
また大沢は「準備期間も入れたら7年近く、山崎くんの成長ぶりをたくさん見させてもらいましたが、同時に僕も成長させてもらいました。それはほかの俳優さんたちも同様で、この作品に関わる全員が成長していると思うんです。映画のなかと同じようにみんなで戦って挑戦して、みんなで天下の大将軍を目指して行った。そういったチームだったような気がします」と、共に駆け抜けてきた仲間たちを称えた。
信として過ごした歳月に「長かったような、あっという間だったような気もします」と思いを馳せる山崎。「20代は『キングダム』と信と一緒に生きてきた感覚があるので、それが終わるという寂しさと、やったぞという達成感、そしてまた凄まじい作品を世の中に放つんだというワクワク感がいまはあります」と、公開を目前に控えた心境を吐露する。
一方で大沢も「キングダム」シリーズを振り返り、「俳優としてだけでなく、自分の人生にとってもかけがえのない出会いであり、時間でした。そんな作品に出会えることなんて一度あるかどうか、それほど奇跡的なこと。僕はこのチームの一員でいれて本当にすごくうれしかったですし、宝物を与えてくれた皆さんと出会えた日々に感謝しかないです」と何度も喜びを噛みしめる。
そして山崎は、最終章を観た感想を訊かれると「映画が始まってすぐ、回想シーンからもう泣きそうになりました(笑)」と即答。「1作目で信と王騎が出会い、2作目と3作目でいろんなことがありましたが、今回はずっとクライマックスが続く感じです。『キングダム』の真骨頂が全部詰まっている。『大将軍の帰還』のために、これまでの3作品があったといっても過言ではないので、本当に多くの人に何回でも観ていただきたい。それが僕の現段階の夢です。なにより僕も、早くもう一回観たいです」。
※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記
構成・文/久保田 和馬