浜辺美波、『もしも徳川家康が総理大臣になったら』初日舞台挨拶でリクエスト「映画館でもっとたくさんの種類のお酒が飲めたら」
現代の日本×歴史上の偉人という壮大なジェネレーションギャップが織りなすエンタテインメントムービー、映画『もしも徳川家康が総理大臣になったら』(公開中)の初日舞台挨拶が7月26日、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて開催され、浜辺美波、赤楚衛二、GACKT、観月ありさ、竹中直人、野村萬斎、武内英樹監督が登壇。映画にちなみ、会ってみたい偉人や主題歌「Change」にかけて「いまの日本の変えたいところ」についてのトークを展開した。
眞邊明人の同名小説を映画化した本作は、コロナ禍真っただ中の2020年、首相官邸でクラスターが発生し、あろうことか総理が急死した日本に、日本の歴史に名を刻む錚々たる偉人が、議員バッジをつけ大集結し、最強ヒーロー内閣が発足する、豪華“偉人ジャーズ”の物語、究極の“もしも”の物語が描かれる。
武内監督は「都知事選もあり、政治に関心を持たれている人も多いはず」とし、選挙や政治への熱が高まっている人はより楽しめる作品だとおすすめ。内閣総理大臣・徳川家康役の萬斎は「映画ならではのメッセージを受け取ってくださっているのを感じています」とSNSの声に触れ、もっと多くの人に伝わるよう願っていた。
とても楽しい現場だったが、主人公の新人記者・西村理沙役の浜辺と内閣官房長官・坂本龍馬役の赤楚は、緊張感もあったと振り返る。浜辺は「悩んで頭を使った撮影期間でした」と話し、赤楚は「すごい役者さんたちが演じてきた役。監督からは大河の主役のような出立ちでいてほしいと言われたけれど、僕がこんなキャラなので、どうやってカッコよくするのかは試行錯誤しました」と自身とのギャップに触れつつ、「監督がめちゃくちゃ向き合ってくれたので全力を出しきりました」と胸を張り、大きな拍手を浴びていた。
イベントでは4人組ダンスボーカルパフォーマンスユニット、新しい学校のリーダーズが担当する「Change」にちなみ、日本の「ここが変わったらいいな」というポイントを発表する場面も。映画館でアイスティーやコーラを飲むのが好きだという浜辺は、リピート鑑賞の際はビールを飲むこともあるとそうで、「もっといろいろな種類のお酒が飲めたらいいなと思うこともあります」と、アルコールのラインナップが増えてほしいとリクエスト。昼食後に30分くらいのお昼寝タイムがほしいという赤楚の意見には浜辺、萬斎、観月も大賛成。観月は「昼食後に眠すぎて、15分でいいから寝かせてほしいと思う時間がある。効率が上がる気がするのでほしいです」とし、萬斎も「舞台の時、ちょっとでも横になると元気になれます」と昼寝の効果を強調。しかし、竹中には響かなかったようで、「僕くらいの年齢になると、お昼寝するとずっと寝たくなっちゃっうので…」と理由を明かし、笑いを誘っていた。
GACKTは交通運賃が現在の10分の1になってほしいと提案。「全国どこにでも行き放題。地方でもいっぱいお金を使うから、(いろいろな場所が)盛り上がる。それくらいやってもいいと思う」とコメント。便利にはなるけれど「ますます忙しくなりそうです…」と全国を飛び回り舞台をやっている萬斎はちょっと複雑な表情も見せていた。
イベントではAIで蘇らせたい偉人、有名人も発表。本作を通じて「もっと歴史を学びたい」と思ったという浜辺は「(勉強をする前の)いまの時点では、卑弥呼様に会って、卑弥呼さんの視点からいまの日本を見てほしい」と目を輝かせる。赤楚は「高倉健さんに会いたいです。僕にとっては偶像でしかない方。いろいろな方から、すごい方だったと聞くので」と、役者として、人間として訊きたいことがたくさんあると語った。GACKTが会いたいのは幼少の頃から憧れていたショパン。「本で読むのと生で見るのとは印象が違うはず。あの時代に、あれだけの天才がいたのかと思ったら、会ってみたいです」と力を込めた。
ベーブ・ルースを甦らせて、大谷翔平との対決が見たいという萬斎に対し、「ずっと世阿弥に会いたいって言ってたから、世阿弥って答えるものと…」と反応した浜辺。「最近、見つけたんです」とニヤリの萬斎。縁のある人ということで、豊臣秀吉を挙げた竹中は「豊臣くんを演じることが多いので、辞世の句を一緒に奏でたいです。これだけ縁があるから会ってみたいですね」とニコニコ。オードリー・ヘプバーンに会いたいと答えた観月は「品が良くて、美しくて、おしゃれで妖精のような女優さん。実物を見てみたいです。実物もすごく清らかな人なんじゃないかなと思います」とうっとりと語る。武内監督は「田中角栄のような剛腕な総理大臣がほしいです。成長をする日本を作った人。そういう総理大臣が出てきてほしいです」と願望を語ると、会場は大きな拍手に包まれた。
最後の挨拶は浜辺が選挙演説風に映画をアピール。「誰もが知っているいろんな時代の偉人たちが復活する夢の詰まった作品です。観終わったあとに、心が前向きになれる映画になっています。この夏は『もし徳』に清き1票をお願いします!」と力強く呼びかけ、笑顔あふれるイベントを締めくくった。
取材・文/タナカシノブ