大統領弾劾を女性たちの視点から暴く「アメリカン・クライム・ストーリー/弾劾裁判」独占日本初放送開始
「BS10 スターチャンネル」にて、ビル・クリントン米大統領の弾劾を招いた不倫騒動の顛末を新たな視点から描いたドラマ「アメリカン・クライム・ストーリー/弾劾裁判」(全10話)が9月9日(月)より独占日本初放送されることが決定した。
O・J・シンプソン事件やヴェルサーチ暗殺など、米国で実際に起きた犯罪を克明に描いて世界的ヒットとなった「アメリカン・クライム・ストーリー」シリーズ第3弾となる本作。1998年に露見したクリントン米大統領と、ホワイトハウスのインターン、モニカ・ルインスキーの不倫騒動の顛末を複数の女性たちの視点から描き、国家中枢やマスコミが一般市民にふるう権力の強大さを見事に浮き彫りにする。ルインスキー役を『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』(20)のビーニー・フェルドスタイン、不倫騒動発覚のきっかけを作りだした政府職員トリップ役をライアン・マーフィ作品の常連サラ・ポールソンが演じる。
本作には、ルインスキー自身がプロデューサーとして参加。2017年の初め、マーフィが「アメリカン・クライム・ストーリー」シリーズの最新作にクリントンの弾劾を採り上げるというニュースが報じられた際、ルインスキーはパニックに陥ったという。そんな彼女にマーフィが連絡を取り、事件に関与した女性たちの視点から描くことを提案。ルインスキーはプロデューサーとしてプロジェクトに参加して、脚本やセットなどをはじめとした製作全般のスーパーバイザー役を務めた。
シリーズ第1作の原作を書いたジェフリー・トゥービンのベストセラー書を基に、戯曲家のサラ・バージェスが脚色。クリントン大統領とルインスキーの不倫騒動発覚のきっかけを作ったトリップやアーカンソー州知事時代のクリントンをセクハラのかどで訴えたポーラ・ジョーンズの視点を中心に、”Nearly Brought Down a President= 大統領を危うく破滅させそうになった騒動”を多角的に描きだす。本作の脚本は、2022年のプライムタイム・エミー賞にノミネートされている。
実話をドラマ化する本シリーズではキャスティングも大きな話題になるが、マーフィは、脚本の最初の30ページを読んだだけの段階で、ポールソンに携帯メールを送ったそう。脚本の素晴らしさに感銘したポールソンは、撮影開始前にトリップ役を演じる準備をスタート。彼女の声音を研究すると同時に医療従事者のアドバイスを受けながら体重を13.6kg増やし、付け鼻を装着。体の動かし方のトレーニングを受けて、本人の立ち居振る舞いを徹底的にマスターした。マーフィが次に連絡を取ったのはフェルドスタイン。ルインスキー役には彼女しかいないと考えていたからだ。奇遇にもフェルドスタインは、その直前のインタビューで「実在の人物を演じるとしたらルインスキーを演じてみたい」と答えており、さらにルインスキーも、『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』のフェルドスタインを見た際「高校生時代の自分のようだ」と考えていたという。彼女たちは、撮影に入る前に何度か会って親交を深め、フェルドスタインの役作りの大きな助けになったとのこと。
ヒロインのルインスキーを演じるフェルドスタインとトリップを演じるポールソンの他にも、映画界やテレビ界、そして舞台で活躍する演技派俳優が多く出演。大統領に対しセクハラ訴訟を起こしたジョーンズを演じるのは、アナリー・アッシュフォード。一方、トリップにルインスキーとの会話を録音するよう促す著作権エージェントのルシアン・ゴールドバーグ役には、マーゴ・マーティンデイル。そして、クリントン大統領にはクライヴ・オーウェンが扮している。アクセント・コーチの指導を受けながら、撮影現場でも常にクリントンの演説に聴き入ったり、クリントンの伝記書を大きな声で読んだりして、役作りに励んだ。その甲斐あって、出番は少ないながらも、オーウェンのクリントン大統領は強い印象を残している。
放送決定とあわせて、キーアートと場面写真も公開。解禁されたキーアートは、フェルドスタイン演じるルインスキーがホワイトハウスの前に毅然と佇む姿が印象的なビジュアルとなっている。さらに場面写真では、クリントン大統領とインターン生のルインスキーの親密な様子と“不適切”な距離感を感じさせるカットや、電話を通して情報が広がっていった時代性を緊迫感とともに映しだすカットが収められている。
当時の日本でも流行語となった「不適切な関係」を複数の女性たちの視点から描く本シリーズ。はたしてクリントン米大統領とルインスキーの不倫はどのように露見したのか?この騒動の顛末をぜひ見届けてほしい。
文/サンクレイオ翼