『ジョーカー2』がヴェネチアを衝撃で包み込む!ホアキン・フェニックス、レディー・ガガらがワールドプレミアに登場
<キャストコメント>
●ホアキン・フェニックス(ジョーカー役)
「なぜ多くの人が前作に共感したのかは正直わからないです。それぞれの観客が、それぞれ違った要素に惹かれたんだと思います。いつも皆さんが語る内容に驚かされます。今回の作品は≪安心を感じる愛への追求と切望≫だと思います。この作品で象徴的な音楽は、物語にあわせて選び抜かれた曲だからこそ、その解釈を理解することがカギでした。歌唱シーンの撮影はすべてライブで録音されたものです。テイクごとに声が異なって、とてもエキサイティングな体験でした。減量については、詳しく語るつもりはないよ。退屈だと思うから(笑)。でも前よりも難しかった。というのも、今回はダンスシーンが多く、ダンスのリハーサルもたくさんやる必要があったから。いま49歳ですが、もうこのようなことはしないほうが良いでしょうね(笑)」
●レディー・ガガ(リー役)
「前作にとても心を揺さぶられました。トッドはとても美しくすばらしい作品を作り、そしてホアキンの演技もすばらしかった。いままでに観たことがない作品だったと感じたことが、今作で私が参加した理由です。私たちのアプローチは特別で、とてもニュアンスに富んだものでした。通常の映画で描かれるような歌唱シーンとはとても異なるもの。この映画での音楽の使い方は、キャラクターの感情を表現すること。セリフだけでは十分ではなく、キャラクターたちが言いたいことを音楽で表現しています。
ジョーカーのなかには常に音楽が流れていて、私はただ、トッド監督のビジョンを音楽とともにやり遂げただけです。ホアキンと仕事ができたのは本当に光栄だったし、とても楽しい体験でした。彼には解き放たれて自由なところがあって、これまでの私の映画経験とはまったく異なるものになりました。毎日、いかに正直で、真実にみちた瞬間を表現するかということに集中しました。トッド監督が伝えるストーリーはとても興味深いもので、“これは絶対に思いつかない”というものに仕上がっています。皆さんには、私たちが決めるのではなく、映画を観て自分自身でこの作品のテーマを見つけ出してほしいです」
●トッド・フィリップス(監督)
「この映画と共にヴェネチアに戻ってくることに対して強い思いがありました。しかし期待値も上がっているのも感じているため、本作に関してはとても緊張しています。前作に関しては、僕たちがなにをしているのかは誰にも知られていなかった。本作では一転、常に注目され続けていた。撮影中から様々な憶測や考察がネット上にあがっていたので、私たちとしては大きなプレッシャーを感じていました。ホアキンはもともと“続編”をやる必要はないと考えていました。前作の時に『次もやろうか』なんて冗談で話してはいましたが、実際にやるとなったらそれはホアキンにとってもある意味恐怖でもあると思います。実際に続編を作ることになった時、私たちは大胆でなければいけなかったし、続編だとしても前作と比べて予想外の作品にするには、どうするべきかと考えていきました。前作のジョーカーは、目には見えなくても彼の心のなかには音楽と愛があふれていた。本作では客観的な視点よりも、ジョーカー自身の目を通して多くの情報が表現されている。そしてリアリズムという点では共通しますが、より想像的で象徴的なシーンが多くあるのが、本作の特徴だと思います。そして…この作品は、1作目に対する“答え”ではないとも加えておきます」
文/久保田 和馬