黒沢清監督がヴェネチアから直行でトロント入り!『Cloud クラウド』北米プレミアに現地の観客も大熱狂
黒沢清監督と菅田将暉が初タッグを組み、第97回アカデミー賞国際長編映画賞の日本代表作品にも選ばれている『Cloud クラウド』(9月27日公開)。現在カナダのトロントで開催中の第49回トロント国際映画祭のセンターピース部門で現地時間9月5日、本作の北米プレミア上映が開催され、黒沢監督が現地の観客から熱烈な歓迎を受けた。
北米最大規模の来場者数を誇る映画祭であり、アカデミー賞レースの前哨戦として世界中から注目を集めるトロント国際映画祭。黒沢監督の作品はこれまで、『CURE』(97)を皮切りに『回路』(01)や『トウキョウソナタ』(08)、『贖罪』(12)、『岸辺の旅』(15)などが招待され、1999年には「Spotlight: Kiyoshi Kurosawa」として特集上映が行われるなど、縁の深い映画祭となっている。
第81回ヴェネチア国際映画祭への参加後にトロントへと直行した黒沢監督は、約353人を収容するTIFF Bell Lightbox Cinema2で行われたプレミア上映の上映前に登壇。満員の観客から大きな拍手で迎えられながら、「トロント映画祭に最初に来たのはもう25年前になります。そのあいだも何度も呼ばれて、今日また参加することができて感激しております」と挨拶。
さらに上映終了後に行われたQ&Aにも登壇すると、「登場人物たちにとって“天国”とはどのようなものだと思うか?」という質問に対し、「ちゃんとした答えは考えておきますが、撮影現場はとっても楽しく、殺される方も殺す方もカットがかかったら皆で笑い合い、天国のように楽しい撮影現場でした」と和やかに回答。ほかにも次々と飛び交う質問に真摯に答えた黒沢監督は、会場を出てからも大勢のファンに囲まれ、サインや写真を求められていた。
文/久保田 和馬