9月27日から9月29日までの全国映画動員ランキングが発表。先週、公開5週目にして首位に返り咲きを果たした『ラストマイル』(公開中)が、この週末3日間も観客動員14万1000人&興収2億1300万円を記録し首位をキープ。これで5度目のNo. 1となり、累計成績は動員338万人、興収48億円をそれぞれ突破している。
ティム・バートン最新作が日本上陸!ファンからは概ね好評
今週トピックとして取り上げたいのは、4位に初登場を果たしたティム・バートン監督の最新作『ビートルジュース ビートルジュース』(公開中)。いわずもがな世界中に熱狂的なファンを持つバートン監督は、日本でも『チャーリーとチョコレート工場』(05)のヒットを契機に一般層までその存在が知れ渡り、おそらく監督名で作品が観られる数少ないハリウッド監督のひとりといっても過言ではないだろう。
今回の『ビートルジュース ビートルジュース』は、バートン監督の出世作(日本では最初に劇場公開されたバートン作品でもある)『ビートルジュース』(88)の36年ぶりの続編。初日から3日間の成績は動員9万1000人、興収は1億3990万円。近年のバートン監督作品や、ひと足先に公開された北米でオープニング興収1億ドルを超える爆発的なスタートを切ったことを考えるとまずまずといった出足であり、前作からの長いブランクやキャラクター自体の知名度が影響していることは否定できない。
前作に引き続きビートルジュース役を演じるマイケル・キートンといえば、「バットマン」シリーズで主人公のブルース・ウェイン/バットマンを演じ、前作『ダンボ』(19)で久々のタッグを組んだ、バートン監督にとって盟友と呼ぶべき存在。そんなキートンに加えて、ウィノナ・ライダーやキャサリン・オハラといったオリジナルキャストの再演に、新キャストとしてジェナ・オルテガ、ウィレム・デフォー、モニカ・ベルッチ、ジャスティン・セローらが加わった今作。
とりわけ注目すべきは、ライダー演じるリディアの娘アストリッドを演じているオルテガだろう。バートン監督が『ダンボ』から5年のブランクの間に製作総指揮と監督(第1話から第4話まで)を務めたNetflixシリーズ「ウェンズデー」でタイトルロールを演じていたオルテガ。同作は配信から1週間での全世界試聴時間の新記録を塗り替えるなど大反響を集め、シーズン2も待機。バートンの新たなミューズのひとりとして、目が離せない逸材だ。
肝心の作品評価については、これまで以上に“バートンワールド”全開の世界観となっており、バートン監督の独特すぎる個性に魅せられてきたファンからは概ね好評を集めている模様。もっとも、バートン作品のヒットのカギは『チャリチョコ』や『アリス・イン・ワンダーランド』(10)のように、いかに一般層に広くリーチできるか。前作を知らない世代にどこまでアプローチできるかが重要となってくるだろう。