ホラーの金字塔『オーメン』(76)の“はじまり”の物語を描いた『オーメン:ザ・ファースト』が10月30日(水)にブルーレイ+DVDセットで発売される。このたび、『オーメン』の日本劇場公開日である10月2日を記念し、『オーメン:ザ・ファースト』のローマを舞台にした撮影風景や、修道院のセットへのこだわりに迫る特別映像2本が、ボーナスコンテンツから解禁された。
日本でも一世を風靡したホラー映画の金字塔『オーメン』の前日譚を描く本作。6月6日午前6時の“悪魔の子”の誕生が迫るなか、ローマの教会にやってきた修道女見習いのマーガレット(ネル・タイガー・フリー)の周囲で不可解な連続死が起こっていく様子が写されていく。一方、カトリック教会から破門されたブレナン神父(ラルフ・アイネソン)は、教会の陰謀を暴露するためマーガレットに近づき、恐怖で人々を支配するため、悪の化身を誕生させる教会の邪悪な目論見を話す。マーガレットは全てを明らかにしようとするが、彼女を待っていたのはさらなる戦慄の真実だった…。監督、脚本は本作が長編デビュー作となる新進気鋭のアルカシャ・スティーブンソン、キャラクター原案は、『オーメン』で脚本を手がけたデヴィッド・セルツァーが担当している。
今回解禁となった特別映像1本目は、ロケ地であるローマとダンテの「神曲 地獄篇」へのこだわりにせまるもの。ローマでの撮影について、スティーブンソン監督は「ローマはどこへ行っても宗教的な図像があります。無数の彫像や顔や目が描かれた絵も。常に誰かに見られているという感覚にこだわりました」と語り、さらに「大勢の声やささやきが聞こえ続ける雰囲気も作りだしたかった」と恐怖感をあおる撮影方法へのこだわりについて明かした。キャストの視線や配置にも綿密に計算し、撮影の細部までも監督がすべて把握し、微調整を繰り返しながら創りだした映画であることを感じることができる。監督はインタビューで「ローマは、どこを見ても、とにかくゴージャスで、まるで巨大な美しい博物館のようです」と話し、同時に「1970年代の世界観を感じられる都市での撮影は、素晴らしい経験になりました」と振り返った。
もう1本の映像では、修道院のセットの秘密が明かされている。セットとなった教会での撮影時に、スティーブンソンからのリクエストで「ロウソクを並べてある形を作りました。呼び名は“地獄の口”。金属の骨組みを使い、口の形に見立てました」とプロダクションデザイナーのイヴ・スチュワートは語る。主人公マーガレットが恐怖のなかで祈りを捧げる先にある“地獄の口”と言われたシーンの誕生秘話を明かされている。また、撮影について「ローマ周辺で美しいロケ地を見つける予定が、1つの建物では足りなくて3つの建物を使いながら1つに見せることになり、骨が折れた」と話す。イメージ通りの舞台を創りだすための徹底的なセットデザインの造りについて語っている。さらに映画公開前のインタビューでは「70年代の色合いはとても独特です」と、本作の色合いとマッチするロケ地探しに苦労したことも語っていた。
今回発売される『オーメン:ザ・ファースト』のブルーレイには、今回一部解禁となった映像を含む、監督やスタッフがそれぞれの視点から語る、時代設定の背景やロケ地へのこだわりなどに触れる「監督の視点」や「“オーメン”の世界観」、そして主人公マーガレットに迫る「マーガレットの秘密」などのキャラクター設定、さらにインタビューなどの充実したボーナスコンテンツが収録される。伝説的作品『オーメン』へのリスペクトがあふれる『オーメン:ザ・ファースト』を、ぜひブルーレイ+DVDセットでも楽しんでほしい。
文/鈴木レイヤ