名作シリーズ「猿の惑星」の“完全新作”として描かれる『猿の惑星/キングダム』(24)の4K UHD+ブルーレイセット、ブルーレイ+DVDセットが10月30日(水)に発売される。このたび激流が流れる川、そこにかかる橋を再現したセットができるまでの過程や過酷な撮影風景、ノヴァ/メイ役のフレイヤ・アーランの熱い想いに迫る映像の一部を、ボーナス・コンテンツから紹介する。
物語の舞台は、いまから300年後の人間と猿の支配権が完全に交代した世界。そこでは、高い知能を得た猿たちが文明的なコミュニティを持った巨大な帝国“キングダム”を築こうとしていた。主人公は帝国を築き世界を牛耳ろうと目論む独裁者によって故郷と家族を奪われた若き猿ノア(オーウェン・ティーグ)。彼は家族を救うために生まれて初めて外の世界に飛びだし、そこで野生動物の一種としか思っていなかった“人間”の女性ノヴァと出会う。やがて人間と猿が共存していた時代があったことを知り、いままさに誕生しようとしている猿の“キングダム”に違和感を覚え、人間と再び共存できる世界を求めて、独裁者に立ち向かうことを決意する。
ノアたちが橋を渡る途中で敵に追われ川に落ちるこのシーンは、なんと駐車場に川のセットを制作して撮影された。特殊効果監修のロドニー・バークは「橋とプールの短縮模型を再現し、橋の下の急流は、巨大ポンプの循環システムを作りました」と言う。「水量は1時間に約8,000リットル、まるで巨大なスパです」との説明からもわかるように、想像を超えた大規模なセットが制作された。
またアーランは、網にかかるシーンのために逆さづりになった状態で水に漬かる練習をし、水中に体を沈めて長時間絶える過酷なシーンを見事にこなした。当時の撮影については「川上に足が向いてるから鼻に水が入りました。でも自ら体験することで彼女(ノヴァ/メイ)の気持ちがわかると思うし、とにかく楽しかったです」とコメント。役に対する強い想いに触れる貴重なインタビューとなった。
さらに、アーランが演じた役について、監督のウェス・ボールは「滅亡したかつての世界を体現しています」と説明。続けて「それだけに、私たちはキャスティングに多くの時間を費やし、スクリーンテストを重ねました。このキャラクターは重要で、この映画において実際にリアルなままカメラに撮られる唯一のキャラクターでもあります。ほかはみんなCG創作なので。フレイヤはそのことにもまるで動じなかったです」と彼女を絶賛した。
このように『猿の惑星/キングダム』のブルーレイには、今回一部が解禁となった映像を含む、製作秘話に迫る新たな挑戦の舞台裏や、惜しくも本編には採用されなかった貴重な未公開シーンなど、充実したボーナス・コンテンツが収録されている。まったくの“新世代“として描いた「猿の惑星」の世界観と映像美を、ブルーレイ+DVDセット、4K UHD+ブルーレイセットでチェックしよう。
文/山崎伸子