鈴木おさむの原作&脚本で、八木勇征主演、井上祐貴、櫻井海音、椿泰我(IMP.)ら共演で贈る映画『僕らは人生で一回だけ魔法が使える』が、2025年2月21日(金)より公開されることが決定。あわせて本作のティザービジュアル、特報映像、サブキャスト5名の情報が解禁された。
2024年3月31日をもって、放送作家業と脚本業を引退した鈴木。「極悪女王」(Netflix)など、これまで数多くの人気作品や話題作を手がけてきた鈴木が「辞める前に、どうしてもこの作品を作りたかった」と語る念願の企画が、最旬のキャスト陣を迎えての映画化に漕ぎつけた。2019年の初演以降、何度も再演されている同名朗読劇でもある本作の記念すべき初実写映画となり、原作と脚本は、もちろん鈴木自身が務める。
特報映像で映しだされるのは、ピアノの才能がありながらも、仲間たちがいる故郷を離れ音大へ進むことへの迷いや、父からの強固な反対などに葛藤する主人公のアキト(八木)をはじめとする、4人の青年たち。生まれつき体が弱く、仲間たちに守られるように成長してきたハルヒ(井上)、サッカー選手になるという夢を諦め、仲間たちの優しい言葉をどこか素直に受け入れられないナツキ(櫻井)、グループのムードメーカーで天真爛漫なユキオ(椿)。制服に身を包む4人の青年たちがある日突然告げられたのは、代々受け継がれてきた村の“秘密”だった。花々や草木など自然豊かなこの村の男たちは、18歳を迎えると“人生で一回だけ魔法が使える”というが、アキトたちはとても信じがたい様子。18歳という人生の分岐点に立つ時期にそれぞれの葛藤を抱えるなか、真剣に悩み、時に激しくぶつかり合いながらも、彼らは1つの願いを込めて魔法を使うことになる。
映像には、彼らが葉っぱに願いを託し、山の上で魔法を使う印象的な様子も映しだされている。映像の最後には、楽しそうに笑い合う4人の姿から、涙を流しながらピアノを弾くアキトの姿が。美しい映像で織り成され、より一層本編への期待が高まる特報映像に仕上がっている。
あわせて公開されたティザービジュアルでは、八木らメインキャスト4名が、一度きりの魔法を使う瞬間が収められている。魔法を使うときに必要となる葉っぱにそれぞれの願いを込め、目をつむる表情が繊細な雰囲気をまとったビジュアルに仕上がっている。
そして、物語に彩りを与える個性豊かなサブキャスト5名が解禁。アキトの父親シンヤ役を、映画や舞台で幅広い役柄を演じるだけでなく、映画監督やイラストを描くアーティストとしても多彩に活躍する田辺誠一が演じる。かつてプロのミュージシャンを目指し上京するも、挫折した苦い経験を持つシンヤ。息子には同じ思いをしてほしくないという気持ちからアキトの音大進学を強固に反対する複雑な親心を、田辺が繊細に表現している。
アキトたちに「人生で一回だけ魔法が使える」という秘密を明かすキーパーソンであるテツ爺役を担うのは、ベテラン俳優の笹野高史。現在も映画や舞台に多数出演しながら、「ニンゲン観察バラエティモニタリング」へレギュラー出演するなど、精力的に活動中だ。笹野演じるテツ爺は、魔法の真実をすべて知っている役どころで作品に重厚感をもたらしている。
ユキオの父親エイジ役には、お笑い芸人、コメンテーター、俳優として様々な領域での活躍を遂げているカンニング竹山。建設業の会社で社長を務めるエイジを尊敬している息子に、ある秘密を知られたことにより距離ができてしまうが、その秘密の裏には隠されたエイジへの本当の想いが。互いを想いやりながらもすれ違う親子の心情を、丁寧に演じ切る。
ナツキの父親カズオ役を演じるのは、10月20日(日)から放送開始となる連続ドラマ「海に眠るダイヤモンド」にも出演が決定し、これまでにも数多くの映画やドラマで名バイプレイヤーとして活躍してきた阿部亮平。造園業を営んでいたものの、病気の後遺症で仕事ができなくなってしまい、自分のせいで息子の夢を奪ってしまったことを申し訳なく思う父を好演している。
アキトのピアノの先生、南雲役を演じるのは、1992年のホリプロタレントスカウトキャラバンにてグランプリを受賞しデビューした後、最近では映画『アキラとあきら』(22)や『毒娘』(24)、ドラマ「大奥season2」、舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」など、様々な作品に出演し続けている馬渕英里何。アキトに対して厳しい指導をするも、アキトの奏でる音色が変わり、確かに成長していく姿を見守っている。
緑豊かな自然に囲まれた小さな村を舞台に、摩訶不思議でせつなく優しい、青春映画『僕らは人生で一回だけ魔法が使える』。今後の続報も楽しみに待ちたい。
文/山崎伸子