エディとヴェノムの絆はどのように育まれていったのか?最終章『ヴェノム:ザ・ラストダンス』にいたる紆余曲折をプレイバック!
マーベルコミックに登場するスパイダーマンの宿敵を主人公に映画化した「ヴェノム」シリーズ。その最終章『ヴェノム:ザ・ラストダンス』がついに公開となった。ヴェノムはヴィランではあるが、一心同体で過ごしてきたエディと時に息の合ったコンビネーションを見せ、時にケンカをする仲睦まじい関係性で人気を博してきたキャラクター。これまでの2作で築かれてきた2人のパートナーシップを振り返りたい。
仕事も恋人も失ったエディが地球外生命体シンビオートに感染
主人公はトム・ハーディ演じるエディ・ブロック。シリーズ第1作『ヴェノム』(18)の始まりは、サンフランシスコでジャーナリストとして働くエディが、人体実験をしていると囁かれるライフ財団のCEO、カールトン・ドレイク(リズ・アーメッド)へのインタビューを行うが、噂についてしつこく追及したため、職を失い、婚約者アン・ウェイング(ミシェル・ウィリアムズ)からも別れを告げられる。それから半年が経ち、いまだ失意の真っ只中にいるエディのもとに財団の研究者が現れ、施設に潜入する手引きをしてもらうことに。しかしそこでエディは、宇宙からやって来たゲル状の地球外生命体シンビオートと接触。瞬く間に寄生され、強烈な空腹感や狂暴性に翻弄されてしまう…。
なんだかんだでエディを助けるヴェノムのツンデレ感
ヴェノムに寄生されたことで飛躍的に身体能力が向上したエディ。一方で頭のなかで響き続ける声にすっかり憔悴し、空腹感を満たすために自宅の冷蔵庫にある食材から残飯までなんでも口にする始末。助けを求めて、アンが新たな恋人ダン(リード・スコット)と食事をしているレストランにも現れるが、そこでも次々とテーブルの料理を漁りまくり、挙句の果てには店内の水槽に入ってロブスターを生きたまま頬張っていた。
このように当初のヴェノムはエディを単なる宿主としか見ていなく、「協力すれば生かしてやる」と隙あらば体を完全に乗っ取ろうとし、人間の脳を食べたがるその習性で恐怖させていた。ところが、財団が放った追手がエディの自宅を強襲すると、これを瞬く間に一蹴。その後もバイクで逃走するエディをサポートし、ドローンによる攻撃から防いでくれる場面も。エディが財団に関する証拠をテレビ局に持ち込もうとするのも手助けし、大勢の警官に囲まれた時にはこちらも次々と撃退していた。
警官の一人を食べようとするのをエディが制止した際にも、なんだかんだ言うことを聞くヴェノム。エディと行動するうちに、いつの間にか地球を気に入り、侵略というシンビオート本来の目的も放棄していたのだ。口では物騒なことを言い放ちながら、渋々ながらエディを助け、悪人を成敗していく…。凶悪なビジュアルとのギャップもあり、ツンデレここに極まり!という感じでかわいい奴に思えてくる。
アンへの想いを引きずるエディにヴェノムがアドバイス
エディとヴェノムの仲は、宿主と寄生生物という関係を越えてますます深まっていく。エディの思考や記憶も読み取っていたヴェノムは、彼がアンへの想いをいまだ引きずっていることも知っており、「謝ってなかっただろう。二度と謝るチャンスはないかも」とまさかの恋愛のアドバイス。それを聞いたエディもアンに対して、「君にこれまでにしたこと、本当に悪かったと思っている。君を愛している」と語りかける素直さを見せていた。
このあとアンとダンが、ヴェノムが苦手とする音波を発するMRIを使ってエディから強引に引き剥がすが、そこへ財団の刺客が現れ、エディが捕まってしまう。すかさずヴェノムはエディを救おうと行動し、アンに寄生することでシーヴェノムに変身。施設付近の森で処刑されそうになっていたエディを間一髪で救い出し、シーハルクのまま熱いキスを交わして再び彼に寄生した。
身を挺してエディを守ったヴェノム
そして、ヴェノムから遅れてやって来たシンビオートの隊長、ライオットとそれに寄生されたドレイクとの最終決戦。「この世界を破壊させはしない」と勇ましく立ち向かう姿は完全に正義のヒーロー。能力で上回るライオットに圧倒され、エディの体からヴェノムが引き剝がされ、捕食されそうになるが、この時はエディ自らが手を差し伸べてヴェノムを取り戻していた。その後、ロケットに乗り込み宇宙へ飛び立とうとするライオットたちを、間一髪のところでロケットもろとも爆散させ消滅させる。エディと共に空から海へと落ちていくなか、ヴェノムは弱点にもかかわらず身を挺して降り注ぐ炎から彼を守ろうとしていた。種を超えた2人の熱い友情に、誰もがウルっとしたことに違いない。