二宮和也、天才料理人役で「映画賞よりもミシュランの星が欲しい」
二宮和也主演、『おくりびと』(08)の滝田洋次郎監督作『ラストレシピ~麒麟の舌の記憶~』(11月3日公開)の完成報告会見が、9月25日に東京国際フォーラムで開催。二宮和也、西島秀俊、綾野剛、宮崎あおい、西畑大吾、滝田洋次郎監督が登壇した。天才料理人を演じた二宮は「アカデミー賞じゃなく、ミシュランの星が欲しい」と語った。
『おくりびと』で米アカデミー賞外国語映画賞受賞という快挙を遂げた滝田監督は「極めて日本的な映画を作ったけど、ご褒美をいただいた」と振り返った後「やはり常に自分が面白いと思ったものを作っていきたい」と熱い思いを口にした。
二宮は「いろんな人たちの目に触れるのはありがたいこと」としながら「ミシュランを獲りたい。せっかくお料理が題材ですから、むしろそっちを狙っていきたい」と言うと、綾野も「そういうのないもんね。映画でミシュランて」と目を輝かせた。
一度食べた味を完全に再現できる絶対味覚“麒麟の舌”を持つ料理人を演じた二宮。「僕、普段は料理をしないんですが、右利きの役なので、右に直して挑みました。でも、それよりも空気感の方が大事かなと思って演じました」。
西島は「僕は当初、チャーハンを作る設定で、すごく練習したけど結局(そのシーンは)なかった」と苦笑い。
現代パートでチャーハンを作るシーンが多かった綾野は「僕は現代のチャーハンの鍋だけど、西島さんは旧式の鍋で本当に持つのが大変なんです。『僕も頑張ります』と言ってたのに、あれ?西島さん、振ってないぞ!?と」と恐縮し、笑いを取った。
『ラストレシピ~麒麟の舌の記憶~』は、伝説のTV番組「料理の鉄人」を手がけた作家・田中経一の原作を映画化したミステリー。絶対味覚の持ち主・佐々木充(二宮和也)が、中国料理界の重鎮・楊晴明(笈田ヨシ)からの依頼で、幻のフルコース「大日本帝国食菜全席」の復元を依頼され、そのレシピの解明に挑む。【取材・文/山崎伸子】