種崎敦美&安田現象監督が欲しいロボットは?『メイクアガール』プレミア上映イベントで願望を告白

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種崎敦美&安田現象監督が欲しいロボットは?『メイクアガール』プレミア上映イベントで願望を告白

開催中の第37回東京国際映画祭にて11月5日、映画『メイクアガール』(2025年1月31日公開)のプレミア上映イベントが実施され、安田現象監督と種崎敦美が登壇した。

【写真を見る】ポスターを指差しながら、キャラクターの解説をする種崎敦美
【写真を見る】ポスターを指差しながら、キャラクターの解説をする種崎敦美

SNSの総フォロワー数600万超を誇るアニメ作家、安田現象による劇場アニメプロジェクト第1弾は、2020年の第29回CGアニメコンテストで入賞した自主制作アニメ「メイクラブ」をベースとしている。


物語の舞台は現在よりも少しだけ先の未来。天才的な頭脳を持つ科学少年の水溜明(声:堀江瞬)は人々の生活をサポートするロボット“ソルト”を開発、製品化することに成功するも、新たな発明がことごとく失敗し、行き詰まりを感じていた。そんな時、友人からカノジョを作ればパワーアップできるという話を聞き、人造人間のカノジョ“0号”(声:種崎敦美)を作り出してしまう。やがて0号は、プログラムされた感情と、成長していく気持ちの狭間で揺れ動くことに。明との間に芽生えるのは“恋”なのか、それとも……。

劇場アニメプロジェクト第1弾を作り上げた安田現象監督
劇場アニメプロジェクト第1弾を作り上げた安田現象監督

映画が完成し、お披露目されることについて「アフレコはだいぶ前。やっと今日初めてお客様に観ていただく、やっとこの日が来たという気持ちです」と笑顔の種崎は、「監督の思いがこもった映画をやっと観ていただけるのはうれしいし、心待ちにしていた方もたくさんいると思うので早く観て欲しいです」とアピール。安田監督は「チームで作ったと言っても4人のアニメーターと3人のモデラーというなかなかの人数で90分の作品を作りました。『本当に出来上がるのかな』という不安なところからのスタートでしたが、出来上がるもんなんだなと驚いています(笑)」と微笑み、安心感と脱力を感じているとも明かした。

アフレコの様子を振り返った二人
アフレコの様子を振り返った二人

本作が生まれた経緯を訊かれると、「いつもコンセプトから作るタイプ。今回は自分がニートだった時期に、人と関わりたくないけれど、人間関係にはなんらかの形で触れたいという矛盾した思い、願いを抱えていた時にやった思考実験での言葉遊びが始まりです」と回答した安田監督。その過程で「科学的に友達を作ったら……」という話が出た際に「作品にしたら転がりそうだな」と思ったのがきっかけだったと説明。映画化の際にはショートアニメだけでは意味がないと考え「映画として語りたいところを改造して作り上げました」と補足した。

人造人間のカノジョ“0号"の役作りを丁寧に解説
人造人間のカノジョ“0号"の役作りを丁寧に解説

人造人間のカノジョ“0号”を演じる上で意識していたことを訊かれた種崎は「0号は明に作られた人造人間でデータや記録はインプットされています。でも、動き出してからの経験はまっさらな状態だから、生まれたばかりの子どものような感じなのかなと思って。人と触れ合って、人を観察して、成長していくことをイメージして演じました」と解説。まっさらな状態から成長していくキャラクターのため、「成長していくのはアフレコ現場に行き、他の役者さんと掛け合いをしながら成長していこうという思いでした」と役作りを明かした。

アフレコ現場で、トークイベントで「ありがとうございます」が飛び交った理由とは
アフレコ現場で、トークイベントで「ありがとうございます」が飛び交った理由とは

種崎の役作りの話を受け「キャラクターの作り方を側から見ることが刺激になりました」と振り返った安田監督が、アフレコ現場で目の当たりにした役へのアプローチがその後のショートアニメやMVなどに活かすことができたと種崎に改めて感謝する場面も。種崎は「こちらが質問をするたびに、『ありがとうございます!』とお礼を言われて。質問に答えていただいたこちらが『ありがとうございます!』なのに……」と「ありがとうございます」が飛び交っていたことに思い出し笑い。笑いながらお互いに顔を見合わせ、改めて「ありがとうございます」とお礼を言い合うなど、微笑ましい姿を見せていた。

「緊張する……」と何度も口にしていた
「緊張する……」と何度も口にしていた

イベントでは「もし、自分が明のような天才科学者なら、どんなものを作りたい?」という質問に答えるコーナーも。安田監督は目的を定めずひたすら歩く“超散歩”が趣味だとし、「長時間になると一緒に歩いてくれる友達はいない。ロボットでもいいので一緒に散歩ができる存在がほしいです」と提案。「今日の私の様子を見ても分かると思いますが……」と切り出した種崎は言語化がとても苦手だとし、「言いたいことを言語化してもらいたい」とリクエスト。続けて「言語化するのを助けてもらっているうちに、自分のことが分かってくる気がするので」と、客観的に自分を見ることで学べることがあるかもと期待している様子。二人ともロボットが欲しいという答えが一致し、顔を見合わせ微笑み、和やかなムードに包まれながらトークイベントを締めくくった。

取材・文/タナカシノブ

※種崎敦美の「崎」は「たつさき」が正式表記

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