広瀬すず、木戸大聖、岡田将生共演で、『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』(09)の根岸吉太郎が16年ぶりにメガホンをとった『ゆきてかへらぬ』(2025年2月21日公開)。このたび本作の追加キャスト7名が解禁され、根岸監督からのコメントも到着した。
大正時代を舞台に、女優の長谷川泰子、詩人の中原中也、文芸評論家の小林秀雄ら実在した男女3人による壮絶な愛と青春を描く本作。『ツィゴイネルワイゼン』(80)や『セーラー服と機関銃』(81)の田中陽造が40年以上前に書いた、いわば「知る人ぞ知る」幻の脚本は、多くの監督たちが映画化を熱望しながら長い間実現することができなかった。それを「滅多にない優れたシナリオ」と、この脚本に焦がれ続けていた名匠、根岸監督の手により映画化する。
解禁されたのは、3人の激しい物語を彩る重要な登場人物を演じた総勢7名の登場人物たち。中原(木戸)の数少ない友人の1人で詩人、画家としても活躍した富永太郎役に、『ミッドナイトスワン』(20)や大河ドラマ「鎌倉殿の13人」、『十一人の賊軍』(公開中)など話題作への出演が絶えない田中俊介。泰子(広瀬)のつらい過去を知る謎の男、鷹野叔役に、ミュージシャンでウルフルズのボーカリストであるトータス松本。泰子の母、長谷川イシ役に、『火口のふたり』(19)や『由宇子の天秤』(20)で様々な映画賞に輝いた瀧内公美。泰子が出入りする撮影所のスター女優役に、『Shall we ダンス?』(96)の草刈民代。小林(岡田)の友人で大学に勤める辰野教授役に、『ケンとカズ』(16)や『福田村事件』(23)など様々な作品で存在感を放つバイプレイヤー、カトウシンスケ。のちに中也の妻となる女性、中原孝子役に、日本舞踊家でありながら俳優としても活躍し、主演ドラマ「つづ井さん」が放送中の藤間爽子。泰子が東京で出会う勤め人役を、映像作品「近代能楽集ノ内『葵上』」以来となる待望の根岸組への参加を果たした柄本佑が演じる。
根岸監督は本作のキャスティングについて、「今回共演してくれた皆さんは、卓越な演技と近づいてはいけない距離感を見事に測りながら映画を支えてくれました。そしてその場にそれぞれの強い個性をしっかり残してくれたことに驚き感謝しています」とコメントを寄せている。
総勢7名の豪華実力派キャストが演じる一癖も二癖もある登場人物たちが、泰子、中也、小林の3人の人生に関わり、二度と戻ることはできない赤裸々な愛と青春の物語を彩っていく。はたしてこの7人がどのように物語を紡ぎ、3人はどんな結末を迎えるのか。公開を楽しみに待ちたい。