作家、柚木麻子が2012年に上梓した小説「早稲女、女、男」が『早乙女カナコの場合は』として映画化されることが決定。この度、キャスト情報、場面写真が解禁となった。
男勝りで過剰な自意識ゆえに素直に甘えることができず、本当は誰よりも純粋で不器用な主人公、早乙女カナコと演劇サークルの先輩、長津田の10年に渡る恋愛模様を中心に、彼女たちと周囲の人々が右往左往しながらも各々が自分を見つめ直していく姿を描いた恋愛奮闘記となる本作。監督を務めるのは、『ストロベリーショートケイクス』(05)、『スイートリトルライズ』(10)、『さくら』(20)などを手掛け、痛みを伴うせつなる恋愛を、独特の映像美で描いてきた矢崎仁司。5年ぶりの新作となる本作では、「物語より、光景の積み重ねこそが、観る人の心に触れると信じて映画を作り続けてきました。素晴らしいスタッフとの出会いで光景が映し撮れたと思います」と出来上がりに自信をのぞかせる。
主演には、数々の映画やドラマに出演、歌手としての活動や、独自の感性を生かし様々なジャンルで活躍をみせる橋本愛。「男とか、女とか、そのグラデーションとか、自意識、愚かさ、狡猾さとか、そんなものがわっと湧き上がってきて、葛藤して、ぐちゃぐちゃになって。でもそれこそがオリジナルで、そして何でもない自分自身なのだと、そんなふうに思ったんです。全然大人になんてなってなかった!」と橋本は語っており、本作を通して気付かされた思いを明かす。
カナコと付かず離れずの関係を続けているうだつが上がらない脚本家志望の学生、長津田役には、シリアスからコミカルまで幅広い役柄を演じ存在感を発揮している若手実力派俳優の中川大志。橋本との共演は本作が初となる。中川は、「長津田というキャラクターを知れば知るほど人間の奥深さが出てきて、とてもチャーミングです。この役は僕にとってまた新たな挑戦でもありました」と役柄について触れ、「映画の中で流れていく時間、変化していく季節が、苦しくも心地よかったです」と撮影時を振り返った。また、原作者の柚木からは「あまりにも美しい愛についての映画で自分の原作かどうか、疑ってしまった」と称賛のコメントが届いている。
写真家の柴崎まどかが撮り下ろした場面写真も解禁。柴崎は、『愛なのに』(21)や『まなみ100%』(23)、『市子』(23)などのスチールのほか、雑誌、広告、カタログ、アーティスト写真などで幅広く活動中。解禁されたスチールには、大学でカナコと長津田が手を取り合ってダンスをするシーンや家で2人だけの「お祝い」をするシーンが確認できる。恋愛中のカナコと長津田の姿が切り取られており、作品への期待が高まる。
『早乙女カナコの場合は』の撮影はすでに終了しており、2025年3月の公開を予定している。今後の続報にも注目してほしい。