『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』(公開中)で謎の奴隷商人マクリヌス役を演じたオスカー俳優のデンゼル・ワシントンが、マーベル・シネマティック・ユニバースの「ブラックパンサー」シリーズ第3作に出演することが明らかになった。「Variety」など全米複数メディアが報じている。
報道によれば、『グラディエーターII』のプレスツアーで訪れたオーストラリアで現地メディアの取材に応じたワシントンは「現時点で私は最高の人たちと仕事をすることにしか興味がありません。あと何本映画を作るかはわかりませんが、そんなに多くはないでしょう」と、以前から語っていた“数年以内に引退する”という意向をあらためて表明。そのうえで「なるべくなら、やったことのないものをやってみたい」と好奇心旺盛な姿勢もあらわに。
スパイク・リー監督とタッグを組む、黒澤明監督の名作『天国と地獄』(63)のリメイク版『High and Low』の撮影をすでに終えているワシントン。2024年の2月から6月にかけてはジェイク・ギレンホールと共演するブロードウェイの舞台「オセロ」が控えており、その後には盟友アントワーン・フークア監督とタッグを組み、カルタゴの将軍ハンニバル役を演じるNetflix映画の撮影が始まる予定。
さらに『それでも夜は明ける』(13)などで知られるスティーヴ・マックイーン監督の新作映画を経て、「ライアン・クーグラーが次の『ブラックパンサー』で私の役を書いてくれています。その後に映画で『オセロ』と『リア王』を演じ、引退するつもりです」と明言。現時点ではまだ「ブラックパンサー」の第3作について、マーベルからの正式発表はされていないが、2027年と2028年の複数日にタイトル未定のマーベル新作映画の公開予定がスケジュールされている。
ティ・チャラ/ブラックパンサー役を演じ2020年に43歳の若さでこの世を去ったチャドウィック・ボーズマンは、学生時代にワシントンからの資金提供を受けて演技留学を経験したことでも知られており、過去には「デンゼル・ワシントンなしで『ブラックパンサー』は存在しなかった」と語っていた。MCU屈指の成功作のひとつである「ブラックパンサー」の影の立役者ともいえるワシントンが、同シリーズに参戦してどんな役を演じるのか。続報を楽しみに待とう。
文/久保田 和馬