映画ファンこそ見ておきたい!かわいい写真と共に「PUI PUI モルカー」の映画小ネタを考察
モルモットが車になった世界を描いたストップモーションアニメーション「PUI PUI モルカー」をCGアニメ化した『PUI PUI モルカー ザ・ムービー MOLMAX』が11月29日から公開中だ。
今回の映画で総監修を務める見里朝希監督が生みだした「PUI PUI モルカー」は、クルマならではのシチュエーションを中心とした、癒しあり、友情あり、冒険あり、アクションありのパペットアニメで、2021年の初放送時には、そのかわいらしいテイストに似合わず(?)映画ネタが満載という点も話題となった。どんな小ネタが散りばめられていたのか?改めて作品を考察しながら振り返っていきたい。
『トランスフォーマー』『AKIRA』…名作を彷彿とさせる映画ポスター
テレビ放送第1弾の第2話「銀行強盗をつかまえろ!」の銀行の外壁や第5話「プイプイレーシング」のレース会場、第10話「ヒーローになりたい」の秋葉原的街並みのなかなど、作品のいたるところに飾られているのが映画のポスター。
赤いモルカーに向かう人物の後ろ姿を写した『AKIRA』(88)風のものなどがチラッと映り込むが、なかでも印象的なのは変形したロボット型モルカーが描かれた「モルフォーマー」のポスターだ。
「トランスフォーマー」シリーズを想起させる「モルフォーマー」だが、なんと『トランスフォーマー/ビースト覚醒』(23)が日本公開されたタイミングには公式でコラボが実現。CGで描かれたモルカーがトランスフォームする映像に加え、グッズも発売されるなど話題を集めた。
『マッドマックス』を想起させる武装モルカー!
第6話「ゾンビとランチ」はタイトルからもわかるようにゾンビもののエピソードで、モルカーのテディ&シロモと2台を追うゾンビの大群との熾烈な攻防が描かれる。
そのなかで登場するのが、荒野にたたずむ一軒のガレージでチューンアップされ、頭の上には機関銃、前方にはトゲトゲバンパーという「マッドマックス」シリーズよろしくな装甲車に大変身したテディ。ゾンビに向かって銃をぶっ放しながら砂漠を爆走する展開は視聴者のド肝を抜いた。
『インディ・ジョーンズ』さながらの大冒険エピソードも!
第7話「どっきり?スッキリ!」では「インディ・ジョーンズ」シリーズさながらのネタが登場。中折れ帽を被ったトレジャーモルカーが“ある冒険”を繰り広げる。
冒険帰りで泥まみれのトレジャーモルカーをきれいにしたいモルカーたちは、洗車を怖がるトレジャーモルカーにぴったりの作戦を思いつき…。無数のブラシが上下する洗車機を罠が仕掛けられた遺跡と見立てる展開に加え、スコアも”あのテーマ”を彷彿とさせるものだった。
アクション映画オマージュがてんこ盛りの“神回”
そんなトレジャーモルカーが悪の組織に捕らえられたところから始まるのが、第8話「モルミッション」。このエピソードは「ミッション:インポッシブル」シリーズさながらの救出ミッションが描かれており、アクションの見せ場満載の名エピソードとして放送時に大きな反響を呼んだ。
空飛ぶヘリコプターから飛びだすと、「ミッション:インポッシブル」のようにビルのダクトを移動しながら敵のアジトに侵入するモルカーのテディとチョコ。
どこぞのB級サメ映画に出てきそうなサメ兵器とのチェイスでは、『AKIRA』を彷彿とさせるモルカーがスライドして停車するシーンが飛びだし、さらにその背後では道路から背びれを突き出したサメが忍び寄る『ジョーズ』(75)的一幕も…。わずか2分ほどのなかにいくつもの映画ネタが盛り込まれていた。
『ラ・ラ・ランド』を連想させるミュージカル回も
第9話の「すべってサプライズ」は、スクランブル交差点で男性がサプライズでプロポーズをしようとするミュージカル回。降りしきる雪によって上手く走れないモルカーたちがスケートのように道路を滑って踊るなか、そのムードに合わせて踊りだす男女。そのダンスはまるで『ラ・ラ・ランド』(16)の街灯の下で踊る主人公たちのようで、モルカーを交えた大所帯でのダンスまで、名作の影響を感じさせた。
デロリアンを思わせるモルカーが活躍
第11話「タイムモルカー」はタイムトラベルを題材とした「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズさながらのSFエピソードで、原始時代にたどり着いたタイムモルカーと博士が未来を変えてしまうというストーリーが展開する。
“タイムモルカー”は、シルバーのボディやガルウィングのように上下に開く毛の扉、背面に取り付けられた機器など、デロリアンを彷彿とさせるデザインが実にナイスだ。